辞書を引けば仏教の歌唱法・詠唱法と出てくる〈梵唄〉だが、文字通り〈BRAHMANの唄〉とも読める。彼らが積み重ねてきた日々とあらゆる感情、その生き様が、このアルバムには詰まっている。
オリジナル・アルバムとしては実に5年ぶり、BRAHMANの6枚目のアルバム『梵唄』がリリースされた。
今作には、細美武士をコーラスに迎えた“今夜”や、伝説的ハードコアバンドSLANGのKOがヴォーカルを取った“守破離”など、5年の間に発表されたシングル収録曲・配信シングル曲のうち7曲を収録。このうち配信限定リリースだった“天馬空を行く”は再録音を施し、“怒涛の彼方”はスカパラのメンバーをゲストに迎えてのアレンジが行われている。
また既発曲以外の新曲にも、BRAHMANのルーツであるパンクやハードコアへのリスペクト、そして5年間でのバンドの進化や挑戦が見て取れる、まさに無敵の12曲が揃っている。
アルバムの最後には、東日本大震災以降、TOSHI-LOWが各地で歌い続け、NHKの音楽番組〈The Covers〉ではその圧巻のパフォーマンスを見せつけ話題をさらった、ソウル・フラワー・ユニオンとヒートウェイヴの楽曲“満月の夕”のカヴァーを収録。阪神・淡路大震災を現地で体験し、内面からとらえたソウル・フラワー・ユニオンの中川敬バージョンと、遠く離れた東京から被災地を想って描いたヒートウェイヴの山口洋バージョンの2つが存在するこの曲を、中川と山口をゲストに迎え両バージョンの歌詞を混在させて見事に歌い上げている。
初回限定盤のDVDには、2015年8月に東京・新宿アンチノックで行われた伝説的ライヴ・イベント「尽未来際~開闢~」の模様を完全ノーカットで収録。ハードコア・バンドGAUZEのオマージュで、ライヴハウス入口付近でのフロア・ライヴと前方ステージでのパフォーマンスを織り交ぜたスタイルを取っている。
〈梵唄〉とは、辞書を引けば仏教の歌唱法・詠唱法と出てくるが、文字通り〈BRAHMANの唄〉とも読める。彼らが積み重ねてきた日々とあらゆる感情、その生き様が、このアルバムには詰まっている。