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ソウル・フラワー・ユニオン
常にパンキッシュなアティテュードで〈多様性〉を強めてきたバンドを豪華アクトが祝福!
音楽の価値のひとつに〈多様性〉があるとして、彼らほどそれを尊重し、体現したバンドは多くない。85年に大阪で結成されたニューエスト・モデル。欧米のパンク~ニューウェイヴに影響されながら、徐々に旺盛な雑食性を発揮。そのハイブリッドかつ強靭な楽曲群で高く支持された彼らは93年にメスカリン・ドライヴと合流し、ソウル・フラワー・ユニオンの結成に至る。
このたび、ニューエスト・モデルの結成30周年を祝した『ザ・ベスト・オブ・ニューエスト・モデル 1986-1993』を経て、『ソウル・フラワー・ユニオン&ニューエスト・モデル 2016 トリビュート』が完成した。BRAHMANによるビート・パンク“ソーシャル・サーヴィス”や、スピッツによる“爆弾じかけ”の攻撃性にドキリとする一方で、フラワーカンパニーズが難民の目線で歌う“そら~この空はあの空につながっている”など、昨今の世界情勢にリンクする曲も目立ち、その射程距離に驚く。
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ニューエスト・モデル
ピアノ伴奏で独唱し、終盤は大合唱となる二階堂和美の“満月の夕”をはじめ、岸田繁(くるり)による“潮の道”やチャラン・ポ・ランタンの“風の市”など、アコースティック楽器を主体としたシンプルなカヴァーも多い。原曲の賑々しさの核にある、普遍的なメロディーの魅力も浮き彫りにした一枚だ。