「あなたってそういう人なんだね」——小学6年生の頃に言われた。私はきっと今よりあの頃のほうが強かった。気にしていなかったわけじゃない。学校に行けなくなった日もあった。でも結局最後まで学校に行った。中学2年生になって同じことを言われた。言い訳がましく聞こえると思うが私は特に何をしたわけでもない。大体そう言うのは、話したことが一、二度くらいしかない、友達というより知り合いのような子ばかりだった。小学生の頃より確実に成長したはずだったのに、学校に行けなくなった。
学校を休んでも特にやることはない。寝たりYouTubeを見たり。友達はいた。親友だっていた。確かに大切な友達だったが、あの頃は誰かを信じることが怖かった。学校に行ってしまえば意外と楽しかった。でも、教室に入る瞬間が大嫌いだった。あの、みんながこちらを見る瞬間。その瞬間に、自分はここに存在していいのか不安になる。いまも誰かと待ち合わせする時、会う瞬間がとてつもなく苦手だ。相手の目が見れない。
そしてまた学校に行けるようになった。男の子の友達もできた。男の子の友達と女の子の友達とで遊ぶようになった。ある日その中の男の子が「死にたい」と口にした。その姿は小学6年生の頃の私のようだった。その頃は親友が「もう少しがんばろう」という言葉をかけてくれていた。思えば小学6年生の頃、一緒に漫画を描いていた友人も、「早く居なくなりたい」と放課後自分の部屋で窓を見つめながら呟いていた。
今回ご紹介する曲は大森靖子さんとの子さん(神聖かまってちゃん)のコラボ曲“非国民的ヒーロー”です。歌詞もメロディーも本当に最高で大好きです。この曲が世に出た時から大好きでよく聴いていましたが、最近もう一度聴き直して再燃しました。やっぱり、昔好きになった曲は成長してから聴いても好きな気持ちは変わりません。変わらないどころか、その頃の気持ちだったり、忘れてしまっていたものを思い出せる。音楽はタイムスリップのようなことができるものだなと思いました。当時の私はサビのメロディーに惚れて聴いていましたが、最近では歌詞にも共感するようになって、そうやって自分の成長と共に楽しみ方が変わるというのも音楽のいいところだなと改めて思いました。皆さんもぜひ聴いてみてください。
原田珠々華(はらだすずか)
2002年生まれ、神奈川出身の16歳。デビュー曲“Fifteen”(TOWER RECORDS)も好評配信中です。2月16日には今年初のワンマン〈tsuki-no-de〉をshibuya CYCLONEにて開催。以降のスケジュールは〈haradasuzuka.com〉をチェック!
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