さらなる内面の細道へ入り込んだ3年ぶりの新作(これを最後にコロムビア離脱を発表したばかり)。制作前に詩人の父親を亡くした影響もあってか全体の雰囲気はいつも以上に重苦しく、切れぎれの呟きと断片的なビートがマッドリブ風の情緒で織り重なるアブストラクトな15曲22分。父の朗読と母の語りが交わる“Playing Possum”、同じく昨年1月に逝去した叔父ヒュー・マセケラの“Riot!”を用いての物寂しい終幕が印象的だ。