最新ワークスから遡るファレルの多才ぶりを、スペースの許す限り遡ってチェックしてみる(前編)
ビリオネア少年倶楽部からのミックステープで注目されたフロリダ出身のアップカマー。地はレゲエだが、ファレル製の小気味良いカクテル・ディスコ“Liar Liar”は欧州で大ヒットを記録! *出嶌
UKの新進シンガー・ソングライターへ、先行曲となった“Look Up”を提供。今様なアトモスフェリック・ムードだが荒涼さはなく、スウィート・ソウル然とした温かみで満たした音像が流石。 *池谷
すっかり自身のシグネチャー・スタイルとなったディスコ流儀で“I Was Gonna Cancel”をプロデュース。本作からの最新シングルに選ばれたばかりでヒットは確実だろうが、『G I R L』に通じる前向きな詞世界にも注目を。 *出嶌
クリス・ブレイドらの人選が心憎い話題作で“Can't Rely On You”をプロデュース。フランツのアレックスに皮肉られてたけど、それ以前にマーマレード感のある曲自体がビヨンセ×ネプチューンズの“Work It Out”風ですわ。 *出嶌
MAJOR LAZER 『Apocalypse Soon』 Mad Decent/TRAFFIC(2014)
駆け出しの頃にはネプ製のグウェン・ステファニー“Hollaback Girl”をリミックスしていた縁もあるディプロ。ここではリズミックな幕開けのスプレー・バウンス“Aerosol Can”にファレルをラッパーとして招いている。 *出嶌
コンプトンの気鋭MCの初メジャー作で“Los Awesome”をプロデュース。ブーミーな低音と乱れ打ちハット、そして何より金属的でささくれた音色のシンセがじつにワルそう! 主役の語り口にマッチしまくる剛腕ビートだ。 *池谷
この3作目でメジャー昇格を果たしたアローに“Love Is The Answer”を提供。印象的なベースラインでラストまで引っ張る一筆書きのスムース・ファンクだが、みずからのコーラスや生音での色づけが絶妙で飽きさせない。 *池谷
元スター・トラック乗員のメジャー初作にて“Suicide”と“S.N.I.T.C.H.”を制作。アブ・リヴァを交えた前者の不穏さも、マイクを握った後者の明快さもいい。ヴァージニアでクリプスと出会って20年以上、絆は健在だ。 *出嶌
共同プロデュースしたティンバランドのテイストも活かしつつ極上ブギーに仕上げられた“Blow”と、フランク・オーシャンの歌が醸す寂寥を荘厳なサウンドへと昇華させた“Superpower”で、楽曲をまとめ上げる手腕を披露。 *池谷
ネプチューンズ初の全米No.1曲でもある“Hot In Herre”以来、要所で絡んできたネリー。この最新作ではファレルが5曲を単独プロデュースし、2曲でマイクも握る。昔ながらのネプ感を湛えて弾むシングルの“Get Like Me”がやはり強力! *出嶌
新作『G I R L』にも駆けつけたマイリーの脱皮作。かつてネプがブリトニーを進化させた件も踏まえての起用だろう、“4×4”“#GetItRight”の2曲をファレルが制作(豪華版にはもう2曲)。ネリーも交えたカントリー・ラップの前者がおもしろい。 *出嶌
リード曲“Feds Watching”の制作とフックを担当。80年代のレゲエを意識したという裏打ちリズムと簡素なビートが鳴り続けるなかでギターがむせび泣く……だけなのに強烈なグルーヴを生む組み合わせの妙味! *池谷
日本盤などに“Wanderlust”のファレル・リミックスを収録。80s産業ポップ風の原曲から音を引きまくり、クラップとベースを強調してMJ化する芸当の鮮やかさよ! *出嶌
ロング・ヒット中の本作では“Aim High”をプロデュース。ジャジーなピアノ弾き語りバラードで、駆け登るようなフックのメロディーにファレルらしさが感じられる。 *池谷
タイラーがファレル派ならアールはチャド推し?ってことで本作収録の“Burgundy”は、この1~2年ですっかり珍しくなってしまったネプチューンズ名義の壮麗な仕事。チャドはもう1曲の演奏に参加してもいる。 *出嶌
ネプチューンズをブレイクへと導いた奇抜なアンセム“Superthug”(98年)から15年余り。配信EPでの再会に続き、本作でファレルは“The Problem (Lawwwddd)”のビートとフックを担って恩返し。ワッワッワッワッ!も飛び出す。 *出嶌