下北沢のライヴハウス、BASEMENTBARでブッキングを担当しているスタッフ4名が、いまライヴを観てほしいミュージシャンを紹介する連載〈いま下北沢で噂のあいつら〉。第2回目となる本稿では、SUMMERMAN、AKOGARE、Tomato Ketchup Boys、THE GUAYSの4バンドをチョイスしてくれました。記事を読んで、気になるアーティストがいれば、ライヴ会場へとダッシュ!! *Mikiki編集部
副店長・高木の〈噂のあいつら〉!
BASEMENTBAR副店長の高木です。今回、初めてこちらの記事を見ていただいた方ははじめまして。前回の記事を読んでいただいた方は、引き続き有難うございます。これからも自分なりの書き方で、あまり肩に力を入れずにベースメントに出演している、がんばっているバンドたちを紹介できればと思います。よろしくお願いします! 今回紹介させて頂くのは、このバンドです。
SUMMERMAN
まずはプロフィールを貼ります。
2013年11月、大学の友人を中心に吉祥寺にて結成。Naoki Takekoshi(ギター/ヴォーカル)、Tomoya Nakazawa(ギター/ヴォーカル)、Hayato Maruoka(ギター/ヴォーカル)、Tatsuya Yamashita(ベース)、Yuga Shiratori(ドラムス)の5人組。
これまでにI HATE SMOKE、toosmellのコンピレーションに参加、2015年にはtoosmellからfallsとのスプリットをリリース。同年にKiliKiliVillaのコンピレーションに参加、11月にファースト・アルバム『Temperature is …』をリリース。
2018年4月には自主レーベル、Super Capsaicinよりセカンド・アルバム『FUN』のリリースや、イギリスのインディー・ロック・バンド、ユア・ポエトリーと盟友・fallsとの3wayスプリットCDを発売。海外アーティスト来日公演のサポート・アクトも多数経験、みずからでユア・ポエトリーを招聘し、日本各地へのツアーをやってのけるチャレンジングな行動力を持った、好奇心旺盛なバンド。
今年、3月22日(金)にはBASEMEMTBARにて開催される、カルフォニアのガレージ・パンク・バンド、オーダシティの来日公演に出演予定。4月3日(水)にI HATE TAPESより発売のコンピレーション・カセット『Unripe Fruits Paradise』にも参加。
プロフィールだけでも既に素晴らしい(笑)! でもこれだけじゃレヴューにならない……。
SUMMERMANを初めて観たときの僕の感想は、〈すごい羨ましい!〉でした。こういうバンドやりたかったです。本当に。
音楽性としては本人たちも大好きだというアルジャーノン・キャドワラダーやスノウイング(どっちもめちゃかっこいいです!)などのエモ/インディーからの影響にティーンエイジ・ファンクラブのような音楽性がミックスされてます。本当にメロディーが良いバンド。誰もが手を挙げてシンガロングしたくなる楽曲多数あり。“Winter Burgain”、“Home Alone”のサビなど挙げたらきりがないくらい、初めて見るお客さんでも一緒に歌いたくなる楽曲がいっぱい。それでいって泣けるんだよなぁ(涙)。彼らの代表曲のひとつ“青春”はSUMMERMANの楽曲のなかでは少ない日本語の歌詞なんですが、歌詞のまんま情景が浮かぶ楽曲で胸熱です!
最近のライヴではしっとりと歌を聴かせる楽曲も増えていき、毎ライヴでの表情の違いを観せられるようになってきたのもとても良いです。
そして、彼らの楽曲にはお客さんを意図的に盛り上げたいとか、聴かせたいとかそういう媚びてるものを全然感じないんですよね。シンガロングな楽曲が多いバンドで、そう感じさせないバンドって珍しいしすごいなと。だからこそ、お客さんもライヴにすんなり入りやすくて、お客さんと演者の距離がとても近いライヴをできているんじゃないかと。〈仕事で疲れたー〉とか思ったときに彼らのライヴがあれば観に行くといいですよ。とても晴れやかな気持ちになって帰れると思います。彼らが大事にしてる音楽ってとってもあったかいと思います。僕も毎ライヴで励まされてる一人ですね。
2019年3月22日(金)
〈Being Creepy feat. Audacity Japan tour〉
開場/開演:19:00
料金:前売り 2,000円 当日 2,500円(いずれも+1ドリンク)
出演:Audacity(カリフォルニア)/SUMMERMAN/突然少年/Limited Express(has gone?)
DJ:ちょっかん(CREATE-ACTiONS)/ Satanswebsite(カリフォルニア)
副店長・こっけの〈噂のあいつら〉!
どうもみなさま、ごきげんよう! BASEMENTBARのこっけです。初回の連載、各所から好評をいただいたみたいで、なにより。引き続きよろしくお願いいたします。さて今回僕が紹介したいのは、このバンド。
AKOGARE
2011年12月、浅井ジーザス洋平(ヴォーカル)、ハセガワコウヘイ(ギター)を中心に活動を開始。幾度かのメンバー・チェンジを経て、2018年7月に影山昇太郎(ギター)、大内岳(ドラムス)が正式メンバーとして加入し、都内を中心に活動する、ベースレス編成の4ピース・バンド。
「R&Rを根に、PUNKを精神に、SOUL、FUNK、hip-hopなどのブラック・ミュージックを食い散らかした、特異なサウンドと、浅井ジーザス洋平のどこまでも生々しいリリックを武器にした、BRAND-NEW STREET MUSIC」とプロフィールには書いてあります。
僕がバンドで対バンしていた時期から考えると、彼らとはかれこれ8年くらいの付き合いになるのですが、ギターの影山とは一緒にバンドを組んでいたこともあるし、まあいわゆる〈腐れ縁〉ってやつです。2018年12月にリリースされた彼らの最新作『NAKED NOW SHIT』を聴いたとき、〈バンドってこんなに変わるのか〉と思いました。驚いたのは、昔からの彼らを知ってる人のなかには多いはず。
去年1年間、BASEMENTBARで隔月で開催してきた共同企画〈GARE Comp〉を通して、彼らの変化を近くで目の当たりにしてきました。結成から8年間以上経っても、音楽に対し柔軟に、誠実に、そして何より愛を持って向き合ってきた一つの結果がこの『NAKED NOW SHIT』には詰まっています。
僕のいちばんの推しポイントは、歌詞です。ジーザスの書く歌詞は、まるで小説。情景の切り取り方が、絶妙。1曲目の“ブランニューキャデラック”の歌詞を本人にもらったので、そのまま引用させてください。
ブランニューキャデラック、あの娘は行った
山の向こう側
初めて髪を染めたのは仏壇のある部屋
身元不明になれないし
どこにも行けない
愛を知っている、のに、バカみたい
風邪薬を10錠、飲み干して
足りなくて、100円の本を買う
遊び疲れたね。同じこと
ステレオのボリュームを上げろ
上げろ
ロックンロールは死なない
死ぬのは僕らだ
いつでも迎えに来るって、バカみたい
身元不明になれないし
僕ら迷子になれたね
愛の歌が流れてる。
どこまでも、空の下
ブランニューキャデラック
ありふれた空の下
空の下
歌詞カードがないのが、もったいない。
2018年12月22日のBASEMENTBARでのワンマン・ライヴ。隔月企画のファイナル。ゲストに彼らが敬愛するイマイアキノブ(ROSSO/DALALA/ex The Birthday)を迎え開催されました。イマイさんのAKOGAREへの愛もすごかったけど、フロアに集まったお客さんたちの(狂気にも近い)愛で溢れた一日でした。ダブル・アンコールのときに観た、涙混じりの景色を、僕はずっと忘れないでいたい。
次回、AKOGAREのBASEMENTBARでのライヴは3月15日(金)。ファッションや音楽/ユース・カルチャー全般を融合したパーティ〈X-farm〉です。彼らはホスト・バンドとして参加しています。YouTubeの映像が古いものしかなく、参考になるものがサブスクで聴ける音源のみ。現代のバンド・シーンの流れとは逆行して〈ライヴハウスに来ないと観られない〉バンドですが、百聞は一見に如かず、ということで。ぜひ足を運んでみてください。それでは、また〜〜。
2019年3月15日(金)
〈X-farm〉
開場/開演:18:30
料金:当日 1,000円
出演:AKOGARE/COPROLIGHTS/MUCK and more…
DJ:X-farm
SHOP:X-farm Clothes
FOOD:いさわ食堂
スタッフ・かたしょの〈噂のあいつら〉!
こんにちは、BASEMENTBARのかたしょです。今回紹介させていただくバンドはこちら!
Tomato Ketchup Boys
前回紹介したCody・Lee(李)と比べると活動期間も長いですし、知ってる/観たことある方も多いかと思いますが、あらためて伝えたいのには理由があります。
彼らは、2017年からライヴ活動を始めた静岡県浜松市出身の3人組。昨年は〈出れんの!?サマソニ!?〉を勝ち抜き本編への出場権を獲得。2019年1月には地元静岡でワンマン、東京で自身の企画を開催するなど活動の幅を広げています。
活動初期はオアシスやKiliKiliVillaのバンドを引き合いに出されることも多く、音源を聴いても、そういった印象を抱く方は多いでしょう。だけど、2018年半ばくらいからライヴでは、ギター/ヴォーカルの鈴木晴揮の純粋無垢な感情が真っ直ぐそのまま音や歌に表れはじめ、基本的に英語の歌詞ではありますが、そこを超えて心に触れてくるようになりました。昔からするとまるで印象の違う、魂が震えるようなライヴをします。僕にとっては彼らこそ〈いま〉観てほしいバンドです。
3月3日(日)にはBASEMENTBARで盟友・No Busesとのツーマンを開催します。持ち時間もたくさんありますし、バンドの魅力を感じるには十分かと。この機会にどうか目撃していただけたら! どちらも応援し続けてきたバンドなので、バンドにとっても、僕にとっても特別な一日です。よろしくお願いします。
2019年3月3日(日)
〈MOTHER SHIP〉
開場/開演:18:30/19:00
料金:前売り 2,300円 当日 2.800円(いずれも+1ドリンク)※入場者特典あり
出演:No Buses/Tomaro Ketchup Boys
店長・クックヨシザワの〈噂のあいつら〉!
おはようございますこんにちはこんばんは。店長のクックヨシザワです。連載第2回目の今回紹介するバンドはこちら、関西出身のパンク・バンド!
THE GUAYS
まずはプロフィール。
2010年6月 キャプテン・リョウスケ(ヴォーカル/ギター)、ヒロシ(ギター/ヴォーカル)、ユッキー(ドラムス/コーラス)、モモ(ベース/コーラス)のメンバーで大阪を中心に活動を始める。
2011年6月 初のデモ音源『GORUNGUN』を発売。この頃から地方や東京にも足を運び始め、ライヴ・ジャンキーになっていく。
2012年4月 初の海外ツアー。3本のライヴしか決まっていなかったが重ねていくうちにどんどん決まっていき、11本のライヴを決行。
2013年9月 初のワンマン・ライヴ@心斎橋火影の後、拠点を大阪から東京に移す。
2015年2月 十三月の甲虫より『GOO! CHOKI! PUNCH!』 発売。
2014年 地方のやばい奴らを東京に招いての自主企画〈RAW VIBE〉を開始。
2015年9月 ベースのモモが脱退。キャプテンがベースにチェンジし活動。
2016年2月 新ベーシスト、ユウシが加入。現在の体制に。
2016年9月 CAR10とのスプリット『roomshare e.p.』をKiliKiliVillaからリリースし〈ONE VAN TOUR〉を行う。
2017年11月 十三月の甲虫よりセカンド・アルバム『After my vacant』をリリース。
2018年 9か月に渡り全国ツアーを敢行。
ライヴハウスに足繁く通う人からすれば〈とっくに知ってるぜ!〉なんて言う人や、彼らが配るフライヤー(いつもカッコいい!)でその名前を目にしたことがある人もいるかと思います。歯切れ良くガツンと突き刺さるギター・サウンドと100メートル走を全力で息を止めて駆け抜けるような8ビート。思わず両手の拳を突き上げたくなるシャウトと、背中を押されるような、喜びも悲しみも隣にいて一緒に感動してくれているような歌。これでもかっていうぐらいにヴォルテージをマックスに持っていくライヴ・パフォーマンス。あの汗と瞬間の輝きと熱量はライヴでぜひ感じてほしいです。
特に10代のキッズたち! THE GUAYSが主催のイヴェントは、ティーンネイジャーはドリンク代だけで入れるから、お金のない学生でも気軽に遊びに行けるので、ドリンク代と物販のレコードやグッズを買うお金だけ握りしめて遊びに行って観てほしい! 東京以外にもツアーでいろんな地方にも行っているので観るチャンスはあります。普段の暮らしのなかで溜まっていく鬱屈とした気分や悩んでいたことも、彼らに会ってライヴを観るとスカッと吹き飛びます。
音楽性やライヴはもちろん良いのですが、メンバー全員が同じ姿勢でバンド活動のひとつひとつに愛情を持って突き進んでいるところも魅力の一つです。普段からもナイスなヤツらで、遊びに来てくれるお客さんはもちろん、友達のバンドやDJ、レーベルやライヴハウス・スタッフへの愛がすごい。ヴォーカルのキャプテンが始めたディストロもきっとそういった強い気持ちがあってこそだと思います。
そういう活動のすべてが音楽やライヴ・パフォーマンスに表れている、THE GUAYSみたいなバンドがたくさん出てきたらライヴハウスが楽しい場所であり続けられると思う。そんな彼らを応援しています。今回は聴いてみてください、よりも会ってみてください、なオススメでした! 長文失礼しました。読んでくれてありがとう。次回もお楽しみに!
2019年3月8日(金)
〈THE GUAYS presents「RAW VIBE」キーマカリーズとチチワシネマ 『Hap pep tits』Realease party〉
開場/開演:19:30
料金:前売り 2,000円 当日 2.500円(いずれも+1ドリンク)
10代は1ドリンク600円のみで入場可能!! ※身分証をご提示ください。
出演:THE GUAYS/キーマカリーズとチチワシネマ/やっほー(岡山)/A page of punk/Tomato Ketchup Boys
DK:PussySufers
下北沢BASEMENTBAR
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