17歳になったら何がしたいか。やりたいことはたくさんある。15歳から16歳になった時、何か大きな階段を一段登った気がした。たった1歳しか変わらないのに、10代の折り返しに差し掛かっていることを実感すると怖くなった。早く大人になりたい。けれど大人になったら自分は他人に年齢以外の価値を見い出してもらえるのだろうか。16歳から17歳になるなんて、いまだに信じられない。17歳というものは私の中で特別になっている部分があった。15歳だった頃、17歳になったらいろんなことを叶えていたいと思っていた。いよいよその歳が近づいてくる。やりたいことは全部やっておこう。

 まずは好きなバンドやアーティストのライヴに頻繁に足を運ぶようになった。感動して涙が出た。その人の良さがわかる自分と、そのアーティストが好きだという気持ちで集まった大勢の人。そこから生まれる空気が本当に心地いい。その空気そのものをステージに立つ演者が作り出していて、その人から生まれるものが伝染していく。なんだかもう、言葉も出ない感動で埋め尽くされる。私もこうなれるのだろうか——そんな不安が一瞬頭を過ぎると、また弱い自分に引き戻される。ソロになってから本当に多くの方と関わらせていただく機会が増え、得たものもたくさんあった。そのなかで共通しているのは、みんな音楽がただただ好きなんだ、ということ。〈こうなれるのだろうか〉ではない。どれだけ音楽を愛すかなんだろうと思った。

銀杏BOYZ DOOR 初恋妄℃学園(2005)

 銀杏BOYZさんの“夢で逢えたら”。ストレートな歌詞とサビの昂揚感が凄く気持ちいいです。好きな人に対する〈夢で逢えたらいいな〉。恋をした時、誰もが一度はそんなことを考えるはず。10代の男の子が夏の太陽に照らされながら、汗だくの制服で好きな女の子のことを想った経験。自分は女性だけれどそんな経験をしたことがあったような、どこか懐かしい気持ちになる。そんな雰囲気を持ちつつ、誰もが一度は感じるけれどストレートであるがゆえに上手く言葉に言い表せないような。この曲に何度も助けられ、涙したこともありました。

 


原田珠々華(はらだすずか)
2002年生まれ、神奈川出身の16歳。ファースト・ミニ・アルバム『はじめての青』(TOWER RECORDS)が4月24日にリリース! それに先駆けた3月31日には〈原田珠々華 ライブシリーズ「月面旅行」@東京〉を青山 月見ル君想フにて、4月7日に〈@兵庫〉を三宮 クラブ月世界にて開催。詳細は〈haradasuzuka.com〉にて!
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