シフの〈フォルテ・ピアノによる〉シューベルト、待望の続編が登場。30年前のピアノ・ソナタ全集録音ではベーゼンドルファーが用いられていたのに対し、こちらは1820年頃のウィーンで製作されたフランツ・ブロートマンのピアノが用いられている。シューベルトのソナタというと、バドゥラ=スコダがモダンによる全集の後にフォルテ・ピアノによる全集を録音しているが、シフの演奏を聴いても、やはりシューベルトの作品には当時の楽器でないと伝わらない良さがあるということを実感する。各音域における音色の差や、透明度の高い弦の響きが生む、多層的なサウンド、立体感を味わっていただきたい。
アンドラーシュ・シフ(András Schiff)『シューベルト:ピアノ・ソナタ集Vol.2』フォルテ・ピアノによるシューベルト、待望の続編
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