朝比奈隆さんといえば〈ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス〉の印象が強いですが壮年期までは〈浪速のストコフスキー〉と言われるほど多種多様なレパートリーでエネルギーの充満する音楽を展開していました。そうした一面が刻まれたビクター音源をSACDシングルレイヤー2枚でまとめた好企画盤です。最も感動するのはシベリウスの交響曲第2番。ハイテンションのサウンドによる気宇壮大な音絵巻を展開、フィナーレではティンパニの改変まで繰り出します。また鬼太鼓座と共演した石井眞木「モノプリズム」のガツンガツン鳴る熱の入ったサウンドにも圧倒されます。残暑払いにうってつけの一組。
『朝比奈隆 大阪フィルハーモニー交響楽団 名演集【特別収録】ブリテン:青少年のための管弦楽入門(1962年頃録音)』〈浪速のストコフスキー〉を伝える好企画盤
朝比奈隆 , 大阪フィルハーモニー交響楽団
『朝比奈隆 大阪フィルハーモニー交響楽団 名演集【特別収録】ブリテン:青少年のための管弦楽入門(1962年頃録音)』