適度なはやさと重厚感を両立し弦楽器中心に無理なく音を響かせることができたメンデルスゾーンの名演。聴き進めると尾高氏が笑顔で指揮している姿が思い浮かぶ。そして大阪フィルが、最近高評価のブルックナー演奏時に匹敵する音を聴かせる。日本・海外で簡単な比較はできないが、個人的にこの作曲家の演奏が玉石混淆の快速・軽快・透明演奏が闊歩しすぎる中、慈雨のように感じられた。名曲“スコットランド”が実に滋味深い味わいで秀逸。“讃歌”は尾高氏にとって久しぶりの声楽を伴う作品の録音だが器楽的な息苦しさがない。特に第6曲から第7曲にかけて熱気を帯びていて必聴!