ブルックナー、ブラームス、マーラー……ロマン派のレパートリーで名演連発中の尾高忠明と大阪フィルのコンビによる2020年1月ライブ録音のブルックナー交響曲第3番が登場。尾高ならではのしなやかで温かみのあるまとめ方に大阪フィルの音圧の高いガッツあふれるサウンドがうまく融合して、強靭かつ瑞々しいブルックナーが展開する。音楽の山と谷の繋ぎが気持ちよく流れ、作品を聴き手に近づける内容。大阪フィルの随所で往時を彷彿とさせる鳴りっぷりが飛び出しつつ、洗練にも目配せした演奏ぶりが面白い。正攻法なれどひと味違う特別さを感じさせる1枚。