俺が歌えば、それは俺の歌になる——海外のインタヴューで最近そう答えていたリアム。バンドの顔として〈ロック・スター〉をしてきた彼が、オアシス後はソロという場所でむしろ成功した理由はこれだろう。前作を手掛けたグレッグ・カースティンとアンドリュー・ワイアットがこの2作目にも全面参加、曲はプロデューサー陣により練られ、歌い手(と、恐らく全歌詞)に徹したリアムがポップ・フォークを主軸とした音楽に声を載せる。“Be Still”や“The River”のようなハードな曲もあれど、瑞々しく若々しい歌声が前に来るから、重さを感じさせない。心優しきラッドがバンドという呪縛を離れ、肩の力を抜いて音楽と向き合えた様まで見え隠れする。丸くなった? 違う、これは完全な自信を獲得したからこその一枚だ。