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少し早いけど、2019年の総括を

――8月に配信された“Z界のテーマ”は、ファンクラブの紹介動画のバックに流れていた曲がおおもとですよね。

M「そうです。音源化希望の声が多かったので。脱力してる我々と、そこからかすかに見える硬派さ、みたいなところが出ている曲かもしれないですね。アルバムに入っているのはハンドクラップが足されたヴァージョンで、3人で叩きました」

配信シングル版“Z界のテーマ”のMV
 

――そして9月がアルバムのカギになったという“NIRE The Bassman”。トリオでは初めてH ZETT NIREさんが作曲した楽曲です。

N「そうですね。(H ZETT Mから)急に〈曲持ってこれる? ベースが目立つやつ〉って振られて、ビックリして」

――MさんはなぜNIREさんに話を振ったんですか?

M「なぜですかね……。〈ここらでちょっと変わったことをしよう〉っていうのもあったと思います。それと、やっぱり楽器のおいしい部分って、それを演奏する人が一番よく知ってると思うので、そういうのを活かした曲にしたいなと思ったんですね」

――NIREさんはそのオーダーに対してどう応えましたか?

N「急に〈明日までに持ってこれる?〉みたいな感じで振られたんで、慌てて作り始めて、思い付いたものをどんどん書いていって。でも渡した後にしばらく寝かせてたんですよ。で、ある時〈そういえばあの曲!〉って(H ZETT Mが)言い出して。でも最初に書いたのは1コーラス分くらいだったので、肉付けをしてくださって、曲としてまとまりましたね」

――この曲はファンからのジャケット募集の時も特に盛り上がった記憶があります。

M「盛り上がりましたね。肉に群がる野生動物のように、みんな〈NIRE〉〈NIRE〉って(笑)」

N「曲名に名前が入ってたにも関わらずみなさん盛り上がって頂いて恐縮です。この曲は大阪野音(〈こどもの日Special in 大阪野音 -Virtual World(Jazz)-〉)から演奏し始めて、その時にプロジェクターで大きくタイトルも映し出されたので、ライヴに来てくださった方は〈あの曲か!〉って思ったでしょうね」

――やはり〈ベースでかましたろ!〉みたいなことは考えましたか?

N「時間がなかったんでそこまで考える余裕はなかったですけど(笑)、最初に思い付いたフレーズをどんどん入れていって、迷うヒマもなかったので、逆にそういうところで勢いが出てよかったのかもしれないですね。こねくり回すと勢いが削がれていくこともあるので」

――そういうところまで見越しての〈明日までに〉っていうオーダーだったんですか?

M「そんなに計画的なわけではないです(笑)」

――そうですよね(笑)。そして9月28日には〈気分上々〉ツアーの座間公演がありまして、今作の「DYNAMIC FLIGHT」盤のボーナス・トラックには、この公演での“レソラ”が収録されます。この時のテイクが良かったということですか?

M「そうですね」

K「まだこの曲をやり始めて2回目くらいなので、初々しいと思います。曲ってツアー中に進化していくので、いまやるのとはちょっと違うんじゃないかな」

――そして10月の優しくて美しいワルツの“明日の景色”を挟んで、11月に配信されたのはその“レソラ”です。このタイトルは、もしかしてリフでレ・ソ・ラの音が使われてるからですか?

M「そうです、はい」

――ではアルバム名はなぜ『RE-SO-LA』になったんですか?

M「アルバム名は、前作も前々作も曲名をアルバムのタイトルにしていたので、その流れですね。比較的新しいから、というのもあります」

――“レソラ”は疾走感のあるクールな楽曲ですよね。2019年は現状ここまでの11曲がリリースされていて、12月1日(日)にリリースされるのが “また会いましょう”です。この曲はかなり不思議な曲で、和風っぽかったり、マーチっぽかったり、いろんな要素が入った曲ですね。

M「沖縄の民謡を聴いていたらすごい変わっていて、西洋的に考えると4小節、8小節、16小節ってキリよく作るじゃないですか。でも日本の民謡、特に沖縄の民謡はそういうのが一切関係ないんです。抑揚もその人によって変わるし、そこにエモーショナルというか、非常にアツいものがありまして、そういう感じがいいなと思ったんです。あと12か月の最後の締めとして、紅白歌合戦とか、“蛍の光”の高速版とか、そういうイメージをゴチャゴチャにミックスした感じですかね」

――なるほど。沖縄の民謡の自由度の高さは、H ZETTRIOにも通じるところですか?

M「沖縄に限らず民謡というものは調べれば調べるほど衝撃的で、それを〈自由〉と呼んでいいのかはわからないですけど、〈民謡とはこういうやつだ〉という強さがあって、そこが非常に尊く感じるんです。だからそういう強さがH ZETTRIOでやっていることに通じていたらうれしいですね」

――この曲は単体で聴いても不思議なんですが、アルバムで前の“Z界のテーマ(Hand Clap Mix)”からの流れで聴くと、繋がってるような感じも受けました。アルバムの曲順はどのように決めたんでしょうか?

M「曲順は、勢い。ノリですね」

――(笑)。まだ12月のリリースもありますが、配信リリースした作品を駆け足で振り返ってみて、結果的に先ほども言ったように似た曲がひとつもない、さまざまなH ZETTRIOの表情が観られるアルバムになったと思います。今作は3人にとってどのような作品になったでしょうか?

M「とてもインパクトがあるものにはなったんじゃないかな、という気はしています」

K「今年一年を総括する作品になりましたね。あとは来年オリンピック・イヤーで、次のツアーも〈先駆けトリオピック〉という名前にしたし、ツアーに向けて景気付けの作品になるといいなと思っています」

N「並べて見てみるとツアーの核になる曲がずばり並んでいて、〈いまのH ZETTRIOだな〉って思いますね。毎回言っていることではありますが、このスタイルは本当に活きのよさが強く出るので、活きのいいフレッシュな面々が揃っているんじゃないでしょうか。寿司屋さんじゃないですけど」

M「おっ、マグロ!(笑)」

N「〈はい、お待ち!〉ってね。そういう感じの勢いがあると思います」

そして2020年へ

――そして、アルバムのリリース日でもある2020年1月1日(水・祝)より、また12か月連続で配信シングルをリリースすることが決まりました。この計画は前々から決まっていたんですか?

N「割と最近決まりましたね。非常によい流れなので、この勢いで行ってしまおうと。オリンピックもあることですし、新記録達成を目指して」

――来年1月配信の“New Design”はどんな曲ですか?

M「これがまたすごい曲で」

K「“New Design”ですからね(笑)」

N「〈俺たちが新しい年をデザインするんだ〉ってね」

――今年は“Journey”で旅立つところから始まりましたが、来年はデザインから新しくしちゃうという。このタイトルを付けたのは……?

M「私ですね」

K「〈これにします!〉って来たよね(笑)」

N「のっけから新しくしていくという」

――〈先駆けトリオピック〉も〈Vol.1〉ということで、その後も続きそうなタイトルですし、このまま来年の12月まで配信リリースが続くと、12月リリースの曲で配信シングルは50曲になります。

一同「(笑)」

N「すごいですねえ。そんなになっちゃいますか」

――そしてオリンピックと言えば、リオ五輪の閉会式ではH ZETTRIOの楽曲が使用されて大きな話題になりました。2020年も何かあるのかな……なんて思ったりもしますが。

K「ツアー・タイトルを見ての通りです!」

M「いやあ、何もないと思いますけどね……」

一同「(笑)」

――来年もマグロの泳ぎは止まらなそうで安心です。最後に2020年の抱負を一言ずつお願いできますでしょうか。

K「やはり何と言ってもオリンピック・イヤーなので、ツアー・タイトルのようにこっちからもどんどんアピールしていきたいですね(笑)」

N「(笑)。それと2020は〈ニレニレ〉イヤーでもあるので、〈来ちゃったかな、これは〉って思っています」

――NIREさん作曲の2曲目が来るかもしれないですね。

M「〈NIRE The Bassman 2〉!?」

N「それはどうなのかな……(笑)。まあ、またいろんなことにチャレンジしていけたらいいなと思ってます。まずはツアーのVol.1がありますので、オリンピックに向けてそれを頑張っていきたいなと」

――最後にH ZETT Mさんお願いします。

M「非常に楽しみだということですね。自分たちも楽しんでやりたいし、楽しんでもらえることをいっぱいやりたいという気持ちです」

――いつも楽しそうで、最初にもお聞きしました通り、疲れ知らずで走り続けていて。

N「ライヴってエネルギーを消耗する面もありますけど、みなさんからエネルギーを吸収する面もあって、楽しんでやってるとむしろちょっと回復しちゃうぐらいなんです。だからライヴが終わったら肌の色つやも良くなってたりすることもあって。ライヴだけでなく、どんなこともそういうスタンスでやっていきたいですね」

――ありがとうございました。

 


LIVE INFORMATION
今年の集大成となる追加公演が決定!
H ZETTRIO TOUR 2019 -気分上々-追加公演
12月3日(火)東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホール

12月6日(金)、7日(土)福岡・都久志会館
12月8日(日)三重・川越町あいあいホール
12月14日(土)東京・たましんRISURUホール(立川市民会館)SOLD OUT!!
12月21日(土)、22日(日)大阪・メルパルクホール

RE-SO-LA Tour 2020 先駆けトリオピック Vol.1
2020年1月18日(土)愛知・幸田町民会館さくらホール
2020年2月8日(土)東京・調布市グリーンホール大ホール
2020年3月6日(金)兵庫・太子町立文化会館あすかホール大ホール
2020年3月7日(土)兵庫・ライフピアいちじま大ホール
2020年3月8日(日)滋賀・野洲文化ホール
チケット好評発売中