存在自体が奇跡のようですらあった美しいセッション盤から幾年月、こだま和文(元MUTE BEAT)率いるバンドがメンバーも新たに臨んだ初のオリジナル・アルバムは、未来を描けぬ時代に慎ましくも強固な〈きぼう〉の矢を放つ一作。演奏そのものは穏やかに見えれど、端々に揺るがぬ意志を宿した音にはみずから襟を正す凛とした佇まいが。アルバム表題曲はまさに絶品で、心揺さぶられずにはいられない。