従来とは種類の違う高揚感――結成から19年を経て、第10作で唯一無二のバンドがはじき出した〈答え〉。

〈UNSER〉と書いて、アンサーと読む。この表題の綴りは〈自分たちの〉を意味するドイツ語のウンザーと同じ。約2年半ぶりのオリジナル・アルバムとなる、このUVERworldの第10作では、結成から19年間の紆余曲折を経た彼らが掴んだ現在なりの答えが体現されている。

UVERworld UNSER ソニー(2019)

「自分たちの王道から離れることばかり考えてきた」とか、「従来とは種類の違う高揚感を求めてみたかった」とか。TAKUYA∞は、今作の制作段階から意味深長な発言を重ねてきた。しかしそれは、過去を否定するものではない。ただ、「今の自分たちにとっていちばん新鮮なものを追い求めた結果、これまでを裏切るような形になった」という言葉にはヒリヒリするようなリアリティがあるし、「これはまさに、どこにも属さず、流れにも乗ろうとしない自分たちなりの回答」という言葉に、誇張は感じられない。確かに今作で触れることができるのは、これまでの彼らの典型とは明らかに一線を画する音楽。しかし、疾走感や炸裂感に答えを求めることなく、声高にメッセージを訴えようともしない今作には、今の6人だからこそはじき出すことができた時代への答え、そして彼ら自身が未来へと向かうためのヒントが詰まっている。