アルバムの先行シングルとなった“7日目の決意”──〈Silent lyric Video〉と称したそのMVは、音も声もない、ただただリリックが真っ白な背景に映し出されていくというもの。そのあたりから鑑みても、本文で触れられていた〈TAKUYA∞の書く歌詞の深みと強さ〉というのは、新作の大きなトピックとして切り取ることができるだろう。というわけで、UVERworldが編む〈言葉〉の背景をちょっと探ってみよう。
TAKUYA∞が10代の頃に〈言葉〉の面でもっとも感銘を受けたのは、キングギドラ、SHAKKAZOMBIE、BUDDHA BRANDらといった〈さんピンCAMP世代〉のヒップホップ・アーティストたち。
「ひと言ひと言カッコイイなあって。同じスタイルで表現しようとは思わなかったですけど、言葉に対する重きの置き方とか在り方には、同じようなものを感じましたね。最近ライヴを観た人だと、般若。2、3曲ぐらいしか知らずに観に行ったんですけど、言葉で何かを発信したいっていうのが伝わってきたんです」(TAKUYA∞)。
さらに〈近い世代のバンドでは?〉の問いにTAKUYA∞が挙げてくれたのは、クリープハイプ。ヴォーカルの尾崎世界観は70年代のフォーク・ソングなどに影響を受けたクチだが、考えてみれば、フォークともメッセージありき、生まれた背景にも通じるところがあるわけで、言葉の〈強さ〉やその源になっている〈覚悟〉といったものが、TAKUYA∞の心に響くポイントになっているようだ。
▼関連作品
左から、キングギドラの95年作『空からの力』(Pヴァイン)、般若の2013年作『コンサート』(昭和)、クリープハイプのベスト・アルバム『クリープハイプ名作選』(ビクター)
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