DIALOGUE+

音楽的な情報量が途轍もない昨秋のデビュー・シングルの衝撃も冷めやらぬなか、8人組の声優ユニットが初のミニ・アルバム『DREAMY-LOGUE』を発表。今回もUNISON SQUARE GARDENの田淵智也が全曲の作曲(と数曲の作詞)を担当している。堀江晶太が高速スカ・パンクに仕立てた冒頭曲からそのジェットコースター・ソングぶりに圧倒されるが、続く5曲の振り幅も凄い。ガーリーな清純さが全開の佐藤純一(fhána)編曲による“好きだよ、好き。”、目くるめく場面展開に心地良く振り回される大胡田なつきの作詞曲、勇ましいダンス・ポップに乗せてシリアスな歌声を響かせる津野米咲(作詞)×eba(編曲)製の“Domestic Force!!”、三森すずこがキュートな詞を贈った軽快ポップ……そして、編曲を広川恵一が担ったラストの晴れやかな自己肯定ソングは、まるでグループの未来を明るく照らしているよう。8人の歌唱リレー→ユニゾン/ハーモニーも素晴らしく、全編で活力をもらえる一枚だ。 *土田真弓
上田麗奈


2016年末のソロ・デビュー以来、高品質の作品を重ねてきた声優アーティストの初フル・アルバム。まずトピックとなるのは、LUCKY TAPESの高橋海とORESAMAというポップ・アクト2組の楽曲提供だろう。前者が作・編曲を担った“アイオライト”はLUCKY TAPES直系のホーンを効かせたソウル・ポップ。上田自身が、逡巡を越えて前に進もうとする思いを綴った詞も胸を打つ。そして後者が作詞/作曲を担当した“あまい夢”は、彼女のスウィートな魅力をしなやかなグルーヴで増幅させた、すこぶるキャッチーなナンバーだ。この2曲をはじめ、前半では春めいた陽気を感じさせるカラフルな楽曲が次々と飛び出してくるのに対して、後半は優美な装いのバラードが並ぶ。とりわけ歌とピアノのみで壮大な光景を描くRIRIKO×石川智久による“旋律の糸”には誰もが息を飲むに違いない。そして何よりもアルバムを通じて、時にエモーショナルに、時にキュートにと多様な表情を見せる彼女の声そのものが素晴らしい。シンガーとしてのポテンシャルを存分に感じさせる力作だ。 *澤田大輔
早見沙織


歌唱力に定評のある声優アーティストに5人のクリエイターが楽曲を提供したミニ・アルバム。Kenichiro Nishihara作・編曲の“yoso”ではメロウなR&Bに空虚なシティー・ライフを描く詞世界を乗せ、今様のアーバン・ソウルをジャストで形にしている。続く“mist”は横山克が硬質な電子音を飛び交わせた幻想的なナンバー。一転してオーガニックなサウンドで聴かせるのがNARASAKIが手掛けた“ザラメ”と堀込泰行のペンによる“遊泳”で、陰りを帯びたメロディーを前者では儚げに、後者では艶やかに表現するコントラストがお見事。そして本作でもっとも驚かされるのが、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)による“PLACE”だろう。ミュージカルの一幕のようなめくるめく展開が圧巻だが、こんな大胆な試みが成り立つのも、はやり主役の力量あってこそ。5者5様のアプローチが引き出す卓越した歌の魅力をご堪能あれ。 *澤田大輔
逢田梨香子

人気シリーズ〈ラブライブ!サンシャイン!!〉に登場するAqoursの桜内梨子役で知られる声優アーティストが、昨年のデビューEPとシングルに続いてファースト・アルバム『Curtain raise』を完成させた。アイドル然としたグループとしての活動とはまた異なり、ソロ作品ではよりフェミニンな魅力を披露してきた彼女。本作でも陰りのある歌い口にドキッとする“Mirror Mirror”、本人が自身の人生観をもとに切ない歌詞を綴った“Lotus”、ほんのりR&B調の“ME”、流麗なストリングスを配した“FUTURE LINE”、ダイナミック&ファンタジックなバンド・サウンドと共に昂揚する“ステラノヒカリ”、繊細な電子音が敷かれたやなぎなぎ製の静謐ポップ“Tiered”といった多彩な楽曲が収められているが、全体的に統一されている透明度の高い音像が、主役の歌声の持つ可憐さをグッと際立たせている。しなやかで健気な歌詞の主人公たちの姿は、特に女性リスナーの共感を呼びそう。 *土田真弓
今月の素敵音楽from2Dao and more!

麻天狼 麻天狼 -Before The 2nd D.R.B- EVIL LINE(2020)
毎回作家陣に注目の〈ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-〉だが、麻天狼の新作は凄いことに。神宮寺寂雷“君あり故に我あり”は韻シスト製のホーリーなゴスペル調、伊弉冉一二三“パーティーを止めないで”は鬼龍院翔によるユーロビート × ホスト歌謡、観音坂独歩“BLACK OR WHITE”では彼のキャラにピッタリのDOTAMA(とANIMAL HACK)が登板。やはり覇者は強い!

人気声優ユニットの新たなシングルは、全員がキャストで参加する「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」のTVアニメおよびゲームのテーマ曲をカップリング。メルヘンチックな意匠の上で三声が美麗に踊る“ごまかし”、優雅さは保ちながらも幻惑的なメロディーと性急感あるアレンジで圧倒する“うつろい”、どちらも完璧すぎる仕上がりだ。作詞/作曲は共に渡辺翔。

〈Tokyo 7th シスターズ〉発の3人組による初ミニ・アルバム。昨年のキャスト交代を経て新体制の一発目となった田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)提供の名曲“ミツバチ”はもちろん、それ以前の楽曲もすべて現メンバーで再録音。新曲“SUN SUN SUN”の原点回帰とも言える爽やかなサウンド、太陽のように揺るぎない輝きを放つ言葉には背中を押されること間違いなし。

声優育成ゲーム〈CUE!〉より、DIALOGUE+のメンバー全員を含む16人のキャストが演じる劇中ユニットのセカンド・シングルが到着。希望ある明日に向かって清らかな声を重ねる表題曲(作詞/作曲は伊藤賢)の王道アイドル・ポップ感もさることながら、石濱翔(MONACA)が作・編曲した“私たちはまだその春を知らない”の心沸き立つ刹那ロック感がたまらなくカッコイイ。

前作のアルバム『Ephemera』でロックな表情を見せたのに続き、TVアニメ「インフィニット・デンドログラム」のエンディングに起用された本シングルの表題曲も、黒須克彦の提供によるマイナー調のエモーショナルなアップに。冒頭のセクシーな吐息がポイントだ。一方、内田の作品には欠かせないhisakuni製の“声”は、彼女の音楽活動への思いを掬い取ったような歌詞が泣ける美曲。

