5周年を迎えたharmoeが確かめる2人だけのハーモニー

 ミュージカル × アニメのメディアミックス作品「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」をはじめ声優/俳優として多方面で活動中の、岩田陽葵と小泉萌香から成るharmoe。さまざまな視点のおとぎ話の世界をカラフルなサウンドに乗せて届ける2人が、新作『twice upon a time』を完成させた。〈2人だけのハーモニーを確かめる旅〉が記録された本作には、今回も個性的な作家陣が集結している。

harmoe 『twice upon a time』 ポニーキャニオン(2026)

 CUTIE STREET“かわいいだけじゃだめですか?”の早川博隆が多彩なヴォーカル・フォーメーションを引き出した“くままっぷ”、M!LK“イイじゃん”のKanata Okajimaによるラップ混じりのパーティー・チューン“shiny wave”とヒットメイカーたちがアッパー・サイドを担う一方で、今作のリード楽曲になったのはHomecomingsが手掛けた“Tilt”。エレクトロニックな意匠もまぶしたリヴァービーなバンド・サウンドに寄り添う青さを滲ませた歌唱が新鮮で、平熱トーンの声音が似合う春野製のポップソング“All Right”と共にじんわりと胸に沁みる。

 さらに、いよわとPAS TASTAのyuigotが共作したメルヘン・ポップ“ウソなんてひとつも”やMOMONADY × YUKI FUNAKOSHIが書き下ろしたアラビックなダンス・チューン“BURNING GOLD”などが並ぶなか、ラストを飾るのは常連組のボンジュール鈴木 × Tomgggによる“ブルーミング・ストーリー”。ソフトな音像のハウスを背にどこまでも飛翔していくような歌声、今年でデビュー5周年を迎えたユニットのこれからに思いを馳せるかの如き詞世界が感動を呼ぶ。

 なお、“ブルーミング・ストーリー”の着想源は「不思議の国のアリス」だが、5年前のデビュー曲もまた然り。自身の有り様を改めて確認したうえで、〈音楽と物語〉の可能性を探求する旅は、まだまだ続く。 *土田

左から、PAS TASTAの2026年のシングル『ピュア feat. 橋本絵莉子』(CANTEEN)、Homecomingsの2024年作『see you, frail angel. sea adore you.』(ポニーキャニオン)、春野の2024年の7インチ“Spring Has Come”(Kissing Fish)

 

今月の二次元以上に素敵な音楽!

Sir Vanity 『puzzle』 ポニーキャニオン(2026)

中島ヨシキと梅原裕一郎の声優2人をフロントに据えたバンドの初EP。勇猛なギター・ロック“signature”、4つ打ちのビートで疾走する“わかっていても”、夜の社交場での駆け引きを描いた“酔焦がれ”と、掛け合う歌唱にツイン・ヴォーカルの魅力が溢れる3曲を収録! *田中

 

DIALOGUE+ 『夏に重ねて』 ポニーキャニオン(2026)

声優8人組ユニットによる15枚目のシングルは、総合プロデューサーの田淵智也が手掛けたブリージーに駆け抜ける表題曲、渡辺翔の作詞作曲でIDM的なビートを敷いた“ベランダの栞”の2曲を収録。どちらも伊藤翼の編曲で、青空に届くかのような昂揚感が半端ない! *田中

 

TrySail 『憧憬』 ソニー(2026)

TVアニメ「落第賢者の学院無双」のED曲を収めた新シングル。切なく昂揚するロック・チューンに真っ直ぐな眼差しを映した表題曲、5月の10周年記念ライヴで初披露されたバウンシーなダンス・ポップ“Cheers and Cheers!!!”と、2曲で節目を刻んだ一枚に。 *土田

 

小倉唯 『Q.E.D.』 コロムビア(2026)

自身も声優を務めるTVアニメ「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。」のOPテーマが登場。ずまでスコトが作曲したユーロビート調の表題曲と塚田耕平によるシンフォニック・ロック“泡沫マーメイド”――彼女みずから綴った丁寧に心の機微を掬い上げる歌詞も素晴らしい! *田中

 

前島亜美 『POLYPHONY』 キング(2026)

声優アーティストとして躍進する彼女のセカンド・アルバムは、つんく♂作詞作曲のリキッド・ファンク“女神Stay Gold!”から掴みはばっちり。〈多声性〉を意味するタイトルの通り、ソフト・ロック調の“不器用に 君のとなり”、過去最高に電波な“優良物件証明歌♡”、Element Gardenによるネオ渋谷系“完璧じゃないわたし”など幅広い音作りに、歌い手としての多面性が刻まれています! *田中

 

坂本真綾 『余韻』 flying DOG(2026)

デビュー30周年の有明アリーナ公演を経て、スマホ向けRPG「Fate/Grand Order」に提供した主題歌のベスト盤が到着。配信のみだったミディアム“時計”も含むDisc-1には、ドラマティックな変則ロックをしなやかに乗りこなす歌声が、込み上げるようなカタルシスを呼ぶ6曲を収録。4曲のアンプラグド版が聴けるDisc-2には作詞を担った宮野真守“透明”のセルフ・カヴァーも。 *土田