「ハイキュー!!」と歩んできたバンドが歴代主題歌に挑む!!
週刊少年ジャンプで連載されていた古舘春一による人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」は、2014年から2020年までTVアニメが放送され、2024年公開の映画「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は全世界興行収入200億円を突破するなど、多くの人に親しまれている作品だ。そんな「ハイキュー!!」と結び付きが深いのが、メジャー・デビュー曲“FLY HIGH!!”を含む3曲がアニメ・シリーズの主題歌に起用され、その後もロックとアニソン、双方の音楽シーンに深く関わってきた3人組バンド、BURNOUT SYNDROMES(以下BOS)。今回、BOSが他アーティストによる「ハイキュー!!」の歴代主題歌をカヴァーし、さらに自身の「ハイキュー!!」楽曲も加えた企画アルバム『ハイキュー!! × BOS - 主題歌たちの宴 -』を制作。8月19日=〈ハイキュー!!の日〉にリリースされた。
「ハイキュー!!」と縁のあるBOSが主題歌のカヴァー・アルバムを出すことに不自然さはない。とはいえ、主題歌という特性上、半端なリアレンジではファンが原曲に抱いているイメージと乖離してしまい、長くそれらを愛してきた人を戸惑わせてしまう危険性もあったはず。原曲の良さを残しつつ、どこまでBOSらしさを出すのか――その困難な問いを解く鍵となったキーワードが、アルバム・タイトルに付けられた〈宴〉だ。
たとえば、爽やかで疾走感のある“イマジネーション”(原曲:SPYAIR)はブラス・ロック的なアレンジを、カントリー調のロック・チューン“天地ガエシ”(原曲:NICO Touches the Walls)は終盤にトロピカルなサウンドを追加することで、より華やかな楽曲へと変貌。“LEO”(原曲:tacica)では、夕暮れの雰囲気が漂っていたオリジナル版のイメージを、疾走感を残しつつポップな方向に大きく塗り替えている。また、“Ah Yeah!!”(原曲:スキマスイッチ)はイントロをカットし、熊谷和海の歌声を推し出す大胆な構成を採った。さらに“決戦スピリット”(原曲:CHiCO with HoneyWorks)では、もともと滾るようにパワフルだったロック・チューンに〈Wow Wow〉というコーラスを追加して一体感を高めるなど、〈宴〉さながらの昂揚感に溢れた雰囲気を作り出そうという狙いが作品全体から見て取れる。
加えて、本編への愛を感じさせる演出も随所で見られ、最終曲に据えられた“オレンジ”(原曲:SPYAIR)のラストに、主人公・日向翔陽が所属するチームのシンボルである烏の羽ばたく音を追加しているのも象徴的。BOSを含むロック・リスナーと「ハイキュー!!」のファン、そのどちらも満足させられるアルバムだと断言したい。 *河瀬タツヤ
『ハイキュー!! × BOS - 主題歌たちの宴 -』で取り上げられた楽曲のオリジナル版を収録した作品を一部紹介。
左から、2014年のサントラ『ハイキュー!!』(TOHO animation)、SPYAIRの2015年作『4』、2026年作『RE-BIRTH』(共にソニー)、NICO Touches the Wallsの2016年作『勇気も愛もないなんて』(キューン)、スキマスイッチの2014年作『スキマスイッチ』(ARIOLA JAPAN/ユニバーサル)、tacicaの2015年作『LOCUS』(ソニー)、CHiCO with HoneyWorksの2020年作『瞬く世界に i を揺らせ』(MusicRay'n)、SUPER BEAVERの2021年作『アイラヴユー』(ソニー)
左から、BURNOUT SYNDROMESの2026年のシングル“ROCKET”(エピック)、2024年の長編映画「ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」(東宝)
今月の二次元以上に素敵な音楽!
数々のアニメ主題歌を歌ってきたシンガーによる13枚目のシングルは、TVアニメ「対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~」のエンディング曲。ナナヲアカリが作詞作曲、川口圭太が編曲を担った表題曲は、縦横無尽なギターといたずらっぽい歌声が弾けるパワー・ポップだ。ビッグ・ビート調の“あほっとぽていと”も最高!
驚異的な大ヒットを記録している人気キャラクター作品の劇場版はサントラも好評。トクマルシューゴと上水樽力が腕を揮った劇伴は、キュートでファンタジックながらも随所で不穏さを忍ばせてくる映画の空気を見事に音へと反映させています。ちいかわ役を演じた青木遥が歌うチェンバー・ポップな主題歌“机さする”も名曲すぎる!

今年、アーティスト・デビュー5周年を迎えた人気声優のニュー・シングル。7月から放送中のTVアニメ「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。」のEDテーマとなった表題曲は、バキバキのアシッド・ブレイクビーツをしなやかに乗りこなしており、新境地を印象付けています。ブレイクでかますルーディーなラップも痺れるほどのカッコよさ! *田中亮太


