ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(Oneohtrix Point Never)ことダニエル・ロパティン(Daniel Lopatin)が、〈チャック・パーソン(Chuck Person)〉名義で発表したカセットテープ作品『Chuck Person’s Eccojams Vol. 1』(2010年)。2020年8月8日、本作のリリース10周年を記念して、ロパティンがリマスター・ヴァージョンのデータをTwitterで無料配布した

『Chuck Person’s Eccojams Vol. 1』は、サンプリングとチョップト&スクリュードによってTOTOやフリートウッド・マックなどのポップ・ミュージックを切り刻み、加工した作品。そのアートワーク(メガドライブのゲーム「エコー・ザ・ドルフィン」のイメージを用いている)も含めて、ヴェイパーウェイヴ(vaporwave)の最初期の例とされている。ヴェクトロイド(Vektroid)の『Floral Shoppe』(2011年)に先んじること1年。その後どんどん加速し、拡散していったヴェイパーウェイヴの原点を知るうえで、とても重要な作品だ。

なお、今回配布されているのは2016年のリマスター・ヴァージョン。以前OPNがデータ販売を行ったものと同じだと思われる。