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変化を見せられた一枚

 メタル曲の一方で、爽やかなポップ・チューン“STEP”や、R!Nの歌唱力が堪能できるバラード“Fragile”など、歌モノ曲のセンスが光るのもAldiousの魅力だ。

 「いちリスナーとして聴いた時に私がすごく好きなのが“STEP”。初めて聴いた時に〈なんだこの名曲は!〉って思ったくらい、以前から好きな曲です。あと〈懐かしいけど新しいAldious〉って思わせられるのが、“愛しい男”(17年)。この状況で活動できない時にバンドスコアを配信で出したんですけど、リクエストを募ったら〈“愛しい男”は本当に名曲です〉という声が多くて。ザ・メタル!っていう曲でもないし、ポップ枠の曲でもないし、バラードでもない。Aldiousにとっていままでなかったタイプの曲なんですよね」(Yoshi、ギター)。

 また、ゴシック・ホラーを思わせる“Reincarnation”では、美しくもヘヴィーな世界観を展開。R!Nのヴォーカルの多彩さにも圧倒される。

 「“Re:fire”はライブの時にアウトロで〈ファイアー!〉ってシャウトするところがあるんですけど、レコーディングでもそれを再現したり。“Believe Myself”のサビ前のフックの部分を地声でパーンと張ったり、サビの後半に力強いエッセンスを入れたりとか、いろいろ試行錯誤しましたね。アルバムの中でもいちばん色が濃いなと思った曲は“Reincarnation”で、すごくダークな部分が突き抜けている曲だなと。聴き比べてみると“Reincarnation”を歌っている時の声と“Confusion”を歌っている時の声ではまったく違うように出してるんですよね。すごく歌い甲斐もありましたし、アルバム全体を通しても変化のある一枚になったんじゃないかなと思います」(R!N)。

 「Aldiousはメタル・バンドなんですけどいろんなタイプの楽曲があるので、それをR!Nちゃんが上手く吸収して良い感じにアウトプットしてくれたなと思います。前の『Evoke』が出た時から、もっといろんな曲をR!Nちゃんの声で聴いてみたいなと思っていたので、今回の『Evoke II』でも“Reincarnation”みたいにダークサイドな曲や“愛しい男”みたいにちょっと歌謡チックな感じの曲があったり、“Fragile”みたいなバラードとか、本当にいろんな楽曲が入っていて。そんなAldiousの楽曲に新しい声が入ったことによって、さらに新鮮な感じで聴いてもらえるんじゃないかなって思ってます」(Marina、ドラムス)。

 なお、今回のジャケットを飾っているのは、メンバーもファンだというLAM氏によるイラスト。カラフルなドレスや、カッコよくて可愛い小悪魔的な表情、思わず吸い寄せられてしまうクールな笑みと目力など、Aldiousというバンドのイメージを見事に表現しているので、そこにもぜひ注目してほしい。

Aldiousの近作。