INTERVIEW

Aldious『We Are』 初の47都道府県ツアーの熱狂と運命的な出来事から生まれた今年2枚目の新作を語る

Aldious『We Are』 初の47都道府県ツアーの熱狂と運命的な出来事から生まれた今年2枚目の新作を語る

初の全国47都道府県ツアー、その熱狂の最中で次々と新曲を生み出してきた5人。前作から半年で届いた新作『We Are』に映るのは、Aldiousの輝かしき未来!

運命的な出来事

 「47都道府県ツアーの高知公演で、アンコールのときに〈We are Aldious!〉とお客さんが呼んでくれていたんです。そのときは“We Are”のレコーディングをし終えたばかりで、まだ誰もその曲のことを知らないはずなのに。1曲目の“Intro”は、Re:NOがそれをすぐさまiPhoneで録音したものを加工して使っているんですよ。あれは本当に運命的な出来事だったなと思います」(トキ、ギター)。

Aldious We Are Radiant A(2017)

 今年5月にフル・アルバム『Unlimited Diffusion』を発表したばかりのAldiousが、わずか半年で新作『We Are』を完成させた。今作はメンバーだけでなく、ファンやオーディエンスも含めてAldiousであることを刻み込んだ作品になっているが、当初はこのタイミングでシングルをリリースする予定だったとのこと。しかし、メンバー各自でデモを制作していたところ、収録予定曲が増えに増え、結果ミニ・アルバムという形に落ち着いたそうだ。

 「もともとはシングルの予定だったので、今作は特にコンセプトがあったわけでもなく、そのとき自分たちから出てくるもの、いまの自分たちが必要と感じているものが詰め込まれていると思います。過去のストックから出したものも特になくて、本当にリアルタイムで作られた楽曲だけですし」(Yoshi、ギター)。

 〈ミニ〉とは言いながらも、収録曲は全9曲という、フル・アルバムとほぼ変わらないヴォリューム。しかも、制作期間は4月から始まったバンド初の47都道府県ツアーの真っ最中である。「ライヴで沖縄から帰ってきたその日に、空港からレコーディング・スタジオへ直行」(トキ)という場面もあり、かなり慌ただしい時期もあったようだ。しかし、音を聴けば、5人がいかに充実した日々を過ごし、そこで手応えを得ていたかを感じ取ることができる。

 「本当に人生でいちばんなぐらいのハード・スケジュールだったんですけど、でも絶対に妥協したくなくて。内容としては、あえて前作の『Unlimited Diffusion』と曲調がかぶらないものにして、2枚続けて聴ける作品にしたいというのはありましたね。Aldiousはメンバー全員が作曲をしているし、それぞれが本当にいろんな曲を書いてくるんですよ。そのいろんな音色をしっかり詰め込めたと思います」(トキ)。

 タイトル曲の“We Are”は、これぞAldiousと言いたくなる重厚感と疾走感を兼ね備えたメロディックな一曲。作曲者のYoshiとしても「初期のAldiousの雰囲気がある曲」をイメージして作ったそうだ。

 「〈ヘドバン曲きたーっ!〉と思いました(笑)。歌詞を書くときに、〈Aldiousとは?〉ということを改めて考えたんですよね。そこで出てきたのが〈何があっても蘇る粘り強さ〉だったり、〈どんなときも笑顔で演奏をする5人〉が浮かんできて。まだAldiousを知らない方にも、いまの私たちを目に焼き付けてほしいという強い想いを込めています」(Re:NO、ヴォーカル)。

 

大きな会場をイメージして

 ツアー中に制作をしたこともあり、「ライヴ映えする曲が多い」(トキ)という本作は、「良い意味でオールド感のあるメタル曲をめざした」と語るサワ(ベース)作曲の“ここにいる不在”など、身体に訴えかけるものも多い。トキが手掛けた“Absolute”では、あくまでも5人の音を土台にしつつエレクトロニコア的なシンセを導入し、新たな一面を提示している。

 「“ここにいる不在”は、楽器隊はキメや展開も多くて激しめなんですけど、Re:NOちゃんのヴォーカル・スタイルに合うような聴きやすいメロディーを乗せることで、Aldiousらしさも大事にしています」(サワ)。

 「“Absolute”はいままでやったことのないタイプの曲でしたが、私はもともとシンセの音が好きで、Aldiousをやる前は〈こんな音楽もやってみようかな〉と思っていたこともあって。自分がリスナーの立場だとしたら好きな感じのエレクトロっぽさがありますね」(Yoshi)。

 また、音源はもちろん、生で体感することでより深く刺さるメッセージが込められたミディアム・ナンバーも収録。ラストを飾るMarina作の“Travelers”は、光を強く感じさせる音像がドラマティックで、アウトロをシンガロングで締めくくるところも〈We Are〉という言葉が持つその意味を胸に残すものになっている。

 「ここ最近、大きな会場でライヴをやらせていただく機会が増えていて。その情景を思い浮かべたときに、スケール感の大きい壮大な曲が作りたいなと思って、未来に繋がる可能性や希望が、光として差し込むようなイメージで作りました。最後の部分はいつか大きな会場でお客さんに合唱してほしいですし、それが実現する日をすごく楽しみにしています」(Marina、ドラムス)。

 

感動、そして感謝

 多彩な楽曲たちのなかでもひときわ存在感を放っているのは、Re:NOが手掛けた“Happy Birthday”。ライヴで行なっているRe:NOとトキによるアコースティック・コーナーが好評なことを受けたこの曲は、作曲者本人が「まさか送ったデモのアレンジのままいくとは思っていなかった」と驚いたそうだ。また、Re:Noはこの曲でギター・ソロも弾いている。

 「私、ライヴをしているときは想いを発信できるのに、普段の自分は心に壁を作ってしまって素直になれないんですよね。それに苦しんでいた時期に作っていたんですけど、逆に〈だからこそ歌わなきゃいけない〉と気付いた瞬間でもありました。タイトルは〈お誕生日おめでとう〉ではなく、〈生まれてきてくれてありがとう〉という意味で、出会えた喜びを表す究極の言葉だと思いながら歌っています」(Re:NO)。

 「ライヴでのファンとの団結力が増した」とMarinaが話していたが、本作『We Are』は、確実に高まり続けているAldiousへの支持を決定づけるものであり、彼女たち自身がしっかりと洗練されてきていることが表れている。そして、冒頭に記したような運命的な出来事を手繰り寄せることができたのも、いまの5人がポジティヴな空気を放っているからだろう。

 「全国を回らせていただけたおかげで、普段はなかなかライヴに来れない方が〈地元で開催されるから〉と足を運んでくれて、たくさんの出会いがあったんです。そうやって出会えた奇跡に改めて感動したり、感謝する場面が多々あって。だからこそ〈もっと上へ、前へ進まなくては〉という強い想いが、今作にはたくさん込められていますね」(Re:NO)。

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