デビュー10周年の情熱はまだまだ激しく燃え盛る! R!Nの歌声でフレッシュに生まれ変わった『Evoke II 2010-2020』はバンドの向かう未来を確かに告げる!

名曲ばっかりやな

 Aldiousがデビュー10周年となる2020年。新加入したR!N(ヴォーカル)の歌唱による再録音ベスト『Evoke 2010-2020』を3月にリリースしたのを皮切りに、本来ならば〈完★全★体〉Aldiousによる快進撃がスタートする予定だったが、コロナ禍の影響で4月からの全国ツアーも延期。しかしメンバーたちは歩みを止めることなく〈じゃあ、何かできることやろ!〉とリモート用の機材を導入し、自宅でメンバーとのリハやレコーディングを行っている。9月に開始したbayfmの番組「アルティメット鋼鉄女子ナイト!」も各々自宅から出演するというICT女子っぷりで、このインタヴューもGoogle Meetで行われたものだ。先述の『Evoke 2010-2020』は初期の人気曲から書き下ろしの最新曲までAldiousのヒストリーをギュッと凝縮したような作品だったが、早くもその第2弾『Evoke II 2010-2020』がリリースされる。

Aldious 『Evoke II 2010-2020』 Radiant A/Village Again(2020)

 「R!Nちゃんが加入してから興味を持ってくれた方もたくさんいると思うんですけど、新しくなったAldiousの音色も楽しんでもらいたいと思います。歌に関しては〈以前のヴァージョンに囚われずに自由に歌ってね〉って伝えたんですけど、結果R!Nちゃんのカラーがすごく出ていて、聴き応えのある一枚になったと思います。自画自賛ですけど、今回の2枚を録って聴いて、改めて〈Aldiousってめっちゃ名曲ばっかりやな〉って思ったんですよね」(トキ、ギター)。

 選曲はメンバーそれぞれが希望を出して決めていったという。ファースト・アルバム『Deep Exceed』(10年)収録の“Luft”や5作目『Radiant A』(15年) 収録の“Re:fire”など激しいナンバーは彼女たちのライブの真骨頂だが、ここ8年くらいライヴでは演奏していないという隠れた名曲“Confusion”(11年のシングル“Mermaid”に収録)が収録されているのも昔からのファンには嬉しいポイントだろう。

 「実は私が加入する前、お客さんとしてライブハウスでAldiousを聴いた時にいちばん衝撃を受けたのが“Luft”だったんですね。それで『Evoke』にこの曲を入れたかったなって心残りがちょっとあったんですけど、その心残りがなくなりました。サビ部分でR!Nちゃんが素敵なコーラスを考えて重ねてくれて、よりパワーアップして素敵な曲になってるので、ぜひ聴いていただきたいと思ってます」(サワ、ベース)。

 「“Confusion”はシングルのカップリングなので知名度は低いと思うんですけど、ライブではバコーン!って盛り上がる〈暴れ曲〉なんですよ。しばらくライブでもやってなかったし、寝かせておくのはもったいないってずっと思っていて。いまはライブやフェスにみんな足を運べてないと思うんですけど、そんな中でも熱く血の煮えたぎるような気持ちになってほしいなと思ってこの曲を推しました。ライブができるようになった暁には、めちゃくちゃ暴れ倒したいなと思ってます」(トキ)。

 

変化を見せられた一枚

 メタル曲の一方で、爽やかなポップ・チューン“STEP”や、R!Nの歌唱力が堪能できるバラード“Fragile”など、歌モノ曲のセンスが光るのもAldiousの魅力だ。

 「いちリスナーとして聴いた時に私がすごく好きなのが“STEP”。初めて聴いた時に〈なんだこの名曲は!〉って思ったくらい、以前から好きな曲です。あと〈懐かしいけど新しいAldious〉って思わせられるのが、“愛しい男”(17年)。この状況で活動できない時にバンドスコアを配信で出したんですけど、リクエストを募ったら〈“愛しい男”は本当に名曲です〉という声が多くて。ザ・メタル!っていう曲でもないし、ポップ枠の曲でもないし、バラードでもない。Aldiousにとっていままでなかったタイプの曲なんですよね」(Yoshi、ギター)。

 また、ゴシック・ホラーを思わせる“Reincarnation”では、美しくもヘヴィーな世界観を展開。R!Nのヴォーカルの多彩さにも圧倒される。

 「“Re:fire”はライブの時にアウトロで〈ファイアー!〉ってシャウトするところがあるんですけど、レコーディングでもそれを再現したり。“Believe Myself”のサビ前のフックの部分を地声でパーンと張ったり、サビの後半に力強いエッセンスを入れたりとか、いろいろ試行錯誤しましたね。アルバムの中でもいちばん色が濃いなと思った曲は“Reincarnation”で、すごくダークな部分が突き抜けている曲だなと。聴き比べてみると“Reincarnation”を歌っている時の声と“Confusion”を歌っている時の声ではまったく違うように出してるんですよね。すごく歌い甲斐もありましたし、アルバム全体を通しても変化のある一枚になったんじゃないかなと思います」(R!N)。

 「Aldiousはメタル・バンドなんですけどいろんなタイプの楽曲があるので、それをR!Nちゃんが上手く吸収して良い感じにアウトプットしてくれたなと思います。前の『Evoke』が出た時から、もっといろんな曲をR!Nちゃんの声で聴いてみたいなと思っていたので、今回の『Evoke II』でも“Reincarnation”みたいにダークサイドな曲や“愛しい男”みたいにちょっと歌謡チックな感じの曲があったり、“Fragile”みたいなバラードとか、本当にいろんな楽曲が入っていて。そんなAldiousの楽曲に新しい声が入ったことによって、さらに新鮮な感じで聴いてもらえるんじゃないかなって思ってます」(Marina、ドラムス)。

 なお、今回のジャケットを飾っているのは、メンバーもファンだというLAM氏によるイラスト。カラフルなドレスや、カッコよくて可愛い小悪魔的な表情、思わず吸い寄せられてしまうクールな笑みと目力など、Aldiousというバンドのイメージを見事に表現しているので、そこにもぜひ注目してほしい。

Aldiousの近作。