今年1月から5月の間、ブラジルでも外出規制が続くなか制作された本作は〈コレラの時代の音楽〉と名付けられた。ネイマール・ヂアス(b)、セルジオ・ヘジ(ds)とのレギュラー・トリオによる楽曲を中心に、楽曲毎に様々なゲスト・プレイヤーを迎え、メマーリ自身も様々な楽器を駆使して録音。ライル・メイズに捧げた“MAYSWAYS (Lyle Mays in memorian)”など、その旋律は独自性を持ちながら普遍的でもあり、混沌とした時代に生きる人々の様々な感情を表しているかのよう。これまでに40近いリーダー作を発表してきた多作な彼の中でも屈指の傑作だ。