ジェイミー・カラム(Jamie Cullum)『The Pianoman At Christmas』ビッグバンドを従えたピアノマンが届ける最高のクリスマス・プレゼント!

2020.12.17

タイムレスに心を惹き付けるオリジナルなホリデイ・ソングの数々……ビッグバンドを従えたピアノマンがゴージャスに届ける最高のクリスマス・プレゼント!

 「僕たちが愛するクリスマスの音楽の多くには、本当に惹かれるものが詰まっているんだ。12月になると僕らの耳は、ビッグバンドやオーケストラ、美しいコード・チェンジ、そして時代を超えた歌詞を求めるんじゃないだろうか」。

 クリスマス・ソングの魅力についてそう語るのは、ジャズを中心に多彩な活動を展開するピアノマンのジェイミー・カラム。昨年のアルバム『Taller』も高評価を得た彼の新作は、意外にも初めてのホリデイ作品『The Pianoman At Christmas』となった。昨冬にロビー・ウィリアムスのクリスマス盤に客演していたことを思い出さずとも、彼のヴォーカリスト/ピアニストとしての持ち味とクリスマスの相性は抜群だろうし、人気者の常道としてももっと早く取り組んでいてもおかしくなかった題材ではある。ただ、すでにタイムレスな名曲たちでひしめく〈クリスマス〉というテーマは、ソングライターとしての彼にとってはなかなかの難題だったのかもしれない。逆に言えば、いまの彼には往年のスタンダードと比肩する曲を書くだけの自信があるのかも……とは勝手な想像だが、そう思いたくなるほどの絶品なオリジナル曲がここには揃っている。『Taller』 所収の“The Age Of Anxiety”が今年9月のアイヴァー・ノヴェロで最優秀楽曲賞に輝いたのも記憶に新しいが、さように広く認められた実力がここでも存分に発揮されているというわけだ。

 「このアルバムは、キャリアをスタートさせた当初から取り組んできた、クラシックな作曲方法で出来上がった世界なんだ。だから、いままでのスキルとこだわりを駆使して、毎年手を伸ばしたくなるような、この季節の喜びと複雑さに満ちた、気負いのない冒険心に満ちたオリジナルのクリスマス・ソングを10曲書くという課題を自分に課したんだ」。

 ロンドンのアビー・ロード・スタジオで5日間かけて行われたレコーディングは、57名の演奏陣を迎えたゴージャスな仕上がりに結実した。プロデュースを担当したのは、『The Pursuit』(09年)や『Taller』 収録の“Love Is In The Picture”でジェイミーと絡んだ重鎮グレッグ・ウェルズ。サントラ『The Greatest Showman』(17年)で実績を残す彼は、ビッグバンドの臨場感と旨味をモダンに響かせる適役に違いない。結果として、ビング・クロスビーやナット・キング・コールらの定番をオマージュしたような冒頭の“It's Christmas”や“Beautiful, Altogether”などのトラディショナルな作法を軸に、今様のポップネスを備えた“Turn On The Lights”や美しいバラードの“How Do You Fly?”まで佳曲が並び、ジェントルなヴォーカリストとしてのジェイミーの魅力を際立たせている。なかでもエルトン・ジョンやビリー・ジョエルの歌い口を連想させる〈シンガー・ソングライター〉的な表題曲は絶品だ。この時代を生きる個々に本作の歌世界がどう響くのかはさておき、彼が望むように〈毎年手を伸ばしたくなるような〉タイムレスな一枚となったのは間違いないだろう。

 「伝説的なアビー・ロードの第2スタジオからエンジニア、アレンジャー、プロデューサー、ミキサーに至るまで、レコードの隅々までを世界最高の人たちに手掛けてもらったのは、とても幸運なことだ。この作品に込められた心遣い、細部への注意、そして純粋な喜びが、今年のクリスマスに小さな魔法をもたらすことを願っているよ」。

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