このたびビートルズ関連のナイスなカヴァー集が2点登場したので紹介しましょう。まずは、67年作『Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band』を丸ごとリメイクしたフレーミング・リップス『With A Little Help From My Fwends』から。
やり過ぎなくらいエコーをかけたエクスペリメンタルでサイケデリックな内容ですが、全体の耳通りはポップという点がいかにも彼ららしくて嬉しくなっちゃいました。マイリー・サイラス、モービー、Jマスキスらゲストの顔ぶれもおもしろく、2009年にリップスが挑んだピンク・フロイド『The Dark Side Of The Moon』(73年)の再解釈盤を超えるブッ飛び具合ですね。
続いて、ポール・マッカートニーのトリビュート作品『The Art Of McCartney』は、ブライアン・ウイルソンやBB・キングら大御所から、アウル・シティにジェイミー・カラムといった若手まで、溜め息が出るほど豪華なメンツが集った一枚。なかでも目玉は、息子のジェイムズ・マッカートニーとキュアーがタッグを組んだ“Hello, Goodbye”でしょうか。同曲を筆頭に、ビートルズ時代のナンバーもソロやウィングスのナンバーも、オリジナルに忠実なアレンジが施されていて、ポールへの強い愛を感じることができますよ。