このたびビートルズ関連のナイスなカヴァー集が2点登場したので紹介しましょう。まずは、67年作『Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band』を丸ごとリメイクしたフレーミング・リップス『With A Little Help From My Fwends』から。 

THE FLAMING LIPS With A Little Help From My Fwends Warner Bros.(2014)

 やり過ぎなくらいエコーをかけたエクスペリメンタルでサイケデリックな内容ですが、全体の耳通りはポップという点がいかにも彼ららしくて嬉しくなっちゃいました。マイリー・サイラスモービーJマスキスらゲストの顔ぶれもおもしろく、2009年にリップスが挑んだピンク・フロイド『The Dark Side Of The Moon』(73年)の再解釈盤を超えるブッ飛び具合ですね。

【参考動画フレーミング・リップスの2014年作『With A Little Help From My Fwends』収録曲
“With A Little Help From My Friends”ライヴ映像

 

 

VARIOUS ARTISTS The Art Of McCartney Arctic Poppy/ユニバーサル(2014)

 続いて、ポール・マッカートニーのトリビュート作品『The Art Of McCartney』は、ブライアン・ウイルソンBB・キングら大御所から、アウル・シティジェイミー・カラムといった若手まで、溜め息が出るほど豪華なメンツが集った一枚。なかでも目玉は、息子のジェイムズ・マッカートニーキュアーがタッグを組んだ“Hello, Goodbye”でしょうか。同曲を筆頭に、ビートルズ時代のナンバーもソロやウィングスのナンバーも、オリジナルに忠実なアレンジが施されていて、ポールへの強い愛を感じることができますよ。