意識の中にそっと忍び込んできてさまざまな記憶と結び付きながら得も言われぬ詩情を醸し出す――というのが、彼女にとって初となる弾き語り集が持つ作用の特徴である。ハナレグミとの共作曲“SPARK”やKan Sanoとのコラボ曲“瀬戸際のマーマレード”、そして渾身の名バラード“MAKER”など儚げでしなやかな歌声の特質をダイレクトに伝える名演が多々。ピースフルな輝きを放つ金延幸子“時にまかせて”のカヴァーもいい。