今年、88歳になるジャズ・ギタリスト中牟礼貞則の新作は初のソロ・アルバム! 52年のプロデビュー、1963年の銀巴里セッション等々……半世紀を超えても今なお現役で演奏し続ける中牟礼貞則は、その歩み自体が日本の戦後のジャズ・シーンと共あったと言っても過言でない偉大な存在だ。本作はその中牟礼貞則の恐ろしく純度の高い美しいギター・サウンドを充分に味わえる良作。①~④が2003年の音源、⑤~⑧が2020年の横浜エアジンでの録音音源が収録されているが、④“How Deep is the Ocean”、⑦“Falling Grace”の圧倒的な演奏には息を飲む。