大注目の若手サックス奏者、中山拓海が音色にこだわったデビュー・アルバム!
1992年の生まれ。父親がマーカス・ミラーやデイヴィッド・サンボーンの大ファンで、ジャズを初めて聴いたのは小学校6年生。それは、父親が図書館から借りてきたチェット・ベイカーのアルバムだった。
「5歳からピアノを始め、サックスは中学校で吹奏楽部に入り始めました。親父に理解があったので、その頃から隔週で東京にレッスンに通っていました。中学生は反抗期。親父がエレクトリックなものを聴いていたので、僕はアコースティックなものを聴きました」
東京で受けたのは、クラシックではなくジャズのレッスン。彼が今の世代だと思わずにはいられないのが、物心がついたときからジャズ教育/環境が整っていたこと。国立音楽大学を出ているが、彼はそのジャズ科(専修)の一期生。学生5人に対し、小曽根真ほか8人が教鞭をとったという。
「富士市生まれですが、中学校の頃からケルンというジャズのライヴ・ハウスにも通いました。ちょうど映画『スウィングガールズ』があり、僕らはジャズにとっかかりやすい世代だと思います。それでチャーリー・パーカーを知り、ケルンで林栄一さんを見て、ジャズ・ミュージシャンになりたいと思いました」
現在、鈴木勲(ベース)や中牟礼貞則(ギター)、松本治(トロンボーン)といった大御所からも声がかかる中山だが、〈たくみの悪巧み〉というカルテットが彼の核となる単位である。高校時代から一緒にやっていた高橋佑成(ピアノ)をはじめ、構成員は皆大学時代の知己。そんな同年代の仲間と組むコンボに彼が求めるのは、「今は、ワン・ホーンで行きたい」ということと、自作曲を取り上げるということだ。
「〈オリジナルを作り、新しいものを作っていくのが音楽家として大切〉と小曽根さんから言われまして、それで、2、3年前からオリジナルしかやらないバンドになりました」
かような彼の初リーダー作はなるほどコルトレーンばりの無伴奏演奏で始まる曲から情緒豊かなバラード、はてはベースがスラッピングする曲まで本当に様々な曲が収められている。彼はそこで、心おきなくアルトやソプラノ・サックスを吹いている。
「普段ライヴでやっていることを素直に録る、ということを心がけました。だから、レコーディングに向けてリハーサルはしていませんし、完全にいつもやっていることを録りましたね。ライヴの時も方向性は決めずにやるので、散らかるときは散らかります。でも、それが僕たちのいいところだと思っています。録音は1日ですみました。その分、音色についてはエンジニアと相談して、録る前からかなりこだわりましたね」
LIVE INFORMATION
たくみの悪巧みレコ発ツアー
○2020/1/9(木)福岡 バックステージ
○10(金)佐賀 シネマテーク
○11(土)岩国 錦月堂
○12(日)広島 Lush Life
○13(月)香川 So Nice
○14(火)大阪 梅田 Always
○15(水)名古屋栄 Wiz
○16(木)甲府 Alone
○17(金)富士 Köln
○18(土)新宿 ピットイン
【出演】中山拓海(a-sax)高橋佑成(p)勝矢匠(b)山田玲(ds)
www.takuminakayama.com/