今年も〈サマソニ〉の季節がやってくる! Mikikiでは今回、初来日の出演アーティストのなかからUKオルタナティヴ・ロックの新星、ダイナソー・パイル・アップにフォーカス。ヴェテランのウィーザーやピクシーズ、フー・ファイターズに、新鋭のウェーヴスやクラウド・ナッシングスなど、USオルタナティヴ・ロックと共振する注目株だ。2007年にマット・ビッグランド(ヴォーカル/ギター)を中心にUKはリーズで結成され、現在はジム・クラッチリー(ベース)とマイク・シールズ(ドラムス)の3ピースで活動している。
2010年にファースト・アルバム『Growing Pains』をリリース後、ピクシーズやフィーダー、ケイジ・ジ・エレファントのツアーに同行し、一躍注目のバンドに。2013年にはパワー・ポップ色を強めたセカンド・アルバム『Nature Nurture』を発表、NMEでは〈このアルバムはグランジ・ポップで溢れた傑作だ!〉と絶賛するなど、各メディアで高い評価を受ける。その勢いに乗って今年はUSデビューも果たし、最新のオルタナティヴ・ロックを紹介するラジオ・チャンネルのAlt Nationでは、彼らの“Peninsula”がウィークリー・オンエア・チャートで1位を獲得。全24公演のツアーを敢行したり、USのバンドであるブラン・ニューのライヴでオープニング・アクトに抜擢されたりと、かの地での人気もじわじわと上がってきているのだ。
そんな彼らが7月16日、タワーレコード渋谷店と新宿店、そしてTOWER RECORDS ONLINE限定でリリースする『Peninsula EP』で、ついに日本デビューを果たす。ヘヴィーでダンサブルなビートとメロディックなギターが疾走感溢れる“Peninsula”、マットの歌声が切なく響くミディアム“Derail”、出だしから歪んだギターがアグレシッヴに迫る“Arizona Waiting”、タイトルを叫ぶサビと〈これぞグランジ〉な音色がほんのりサイケデリックな“White T-Shirt and Jeans”と、強力な4曲が揃っている。
ちなみにダイナソー・パイル・アップを日本でサポートするのは、日本国内のみならず海外でも人気の高い実力派ロック・バンドのONE OK ROCKなどを擁するレーベル、A-Sketch。ということで、現在進行形で魅力あるロック・バンドが国境を越えて共振し、新たなシーンを形成するかもしれないという期待感も抱かせてくれる。
初登場の〈サマソニ〉では、日本勢に交じって〈RAINBOW STAGE〉に出演する(大阪は〈FLOWER STAGE〉)。〈私達は長い間、この機会を待っていました。日本でのリリースと日本を周ることはまさに夢の実現です。日本へ行くのが楽しみで仕方ありません〉と、フロントマンのマットもワクワクを隠せない様子。日本ではまだまだ未知数のバンドではあるけれど、ライヴ映像を観るに、ダイナミックで華のあるパフォーマンスでオーディエンスを熱くさせてくれるはず。〈ダイナソー〉と言えばダイナソーJrではなくダイナソー・パイル・アップ、という時代が来るかもしれない。いまから要チェックだ!