近年はデュア・リパやヴィクトリア・モネイのプロデュースでも知られるレディング出身のクリエイターが初のフル・アルバムを完成。クレイロやブルーノ・メジャーらと組んだ過去のEPを踏襲し、基本はフィルター・ハウス〜フレンチ・タッチをマイルドにした洗練味とSG本人の薄めな歌唱で多数の客人を迎えている。ライを招いたディープ・ハウスの“Time”、マット・ジョンソンの鍵盤にサイモン・ヘイルの弦を従えたジャミロクワイ作法(?)でラッキー・デイの歌う“Feed The Fire”、ナイル・ロジャースとの“One More”など狙いの明確なトラックが並び、なかでもチャド・ヒューゴが関与した“Chemicals”には思わずロボットも爆発しそう。総じて薄皮一枚を隔てた興奮度ながら、部屋で聴くにはちょうどいい好盤とも言える。