TDEに所属するSiRの実兄であり、オーディション番組「リズム+フロー」での優勝によって名を馳せたイングルウッドのラッパーによるデビュー作がフィジカル化。そのハイプ感とは対照的に派手な客演を並べるわけでもなく等身大なスタンスをキープし、自身の周りの事柄をトピックとしてストーリーテラーの才を発揮。ソウルフルなノリも加味したUS西海岸のオーセンティックなサウンド・スタイルにSiRをはじめとするシンガー勢も絡め、時に主役自身も歌うようなフロウを披露している。バトルキャット御大のプロデュースでトークボックスも効いたウェッサイ・マナーの“Sunkissed Child”や、ブルガリアの民族音楽を大胆にサンプリングしたスヌープ・ドッグとのコラボ“Gaspar Yanga”あたりが最高だ。