名古屋城でのパフォーマンスを極みとした劇的な大作『LIVE : live』から約10か月で早くも新作が到着。マイクを握って25周年という年の6月9日をめがけて仕上げた側面もあるのだろうが、DJ RYOWやRIMAZIら盟友をサウンドの軸に据え、現行モードの10曲で一気に疾駆する様子は、〈レース〉をテーマにした全体の雰囲気にも相応しい。ちゃんみなとの冷徹な“Racin'”、ピコ太郎ではなくポップ・スモークを翻案した“PPAP”、¥ellow Bucksを招いたTOKONA-X使いの“I'm the shit”、SALUを迎えて周囲への愛を語るラストの“Victory Lap”などモダンな照準の絞り方も実にスマート。そんななか、ANARCHYとの“Pit Road”を往時の無骨なフロウで押し切る姿には、リリックの内容も相まってグッとくる。