ツアーを共にしたウェールズのシンガー・ソングライター、ケイト・ル・ボンをプロデューサーに迎えた5作目のアルバム。みずからの半生を振り返った全12曲75分の大作はロック・オペラの顔も持つが、そんな作風が物語を語るように朗々と歌い上げるグラントのヴォーカル・スタイルと見事マッチ。淡々と鳴る80年代風のエレポップ・サウンドが歌声の魅力を際立たせる。抑制の効いた温もりある歌声が心地いい。