西ロンドンのソングストレスから1年半ぶりに届いた新作。2枚目のフル・アルバムで、彼女も参加するソーのインフローが引き続きプロデュースしているのでリトル・シムズの新作も連想するが、マーヴィン・ゲイ風ニュー・ソウルな“23”を含め、今作では70年代前半のキャロル・キングにも似た女性シンガー/ソングライター風情を貫く。ピアノを基調にビートも入れつつ、ギター、パーカッション、ストリングスなどを丁寧に織り込んだ静謐でメロウな音色と共に母となった心情を優しい歌声で綴っていく楽曲群は余韻までもが味わい深く、“Build Me Up”などに登場するホーリーなコーラスも相まって俗世を離れたような清廉さがある。母の胸に抱かれて眠る赤子の気分で聴き入るタイムレスな逸品だ。
クレオ・ソル(Cleo Sol)『Mother』母の胸で眠る赤子の気分で聴き入ってしまう柔らかなソウルミュージック
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