石若駿がキュレーションする、他では観られない特別な2日間
2014年のオープン以来、東池袋のカフェ〈KAKULULU〉は多くの音楽家たちに愛されてきた。とりわけ親交が深いのは、星野源や米津玄師のサポートも務めるなど、すっかり日本一の人気ドラマーとなった石若駿。彼にとってこの店は生活の中心であり、何度もライヴを行ってきたホームであり、コロナ禍の営業休止中には鍵を預かってレコーディングも行っている。オーナーの高橋悠が無類の音楽好きであることも、居心地のよさに繋がっているのだろう。彼や石若を慕ってミュージシャンの輪が広がり、いまや東京の音楽カルチャーに欠かせない重要拠点となりつつある。
国際アート・カルチャー都市構想を掲げ、豊島区の文化発展に貢献してきた〈としま未来文化財団〉にとっても、KAKULULUはずっと気になる存在だったという。困難な時代だからこそ生の音楽を届けたい。そんな両者の想いが文化行政の理想的なコラボレーションにつながった。かくして今秋開催されるフェス形式のイヴェント〈Visca!! IKEBUKURO〉では、2日間のキュレーターを石若が担当。見事に個性豊かなラインナップが揃っている。
まず、11月5日は石若がホスト役を務めるスペシャル・セッション・デイ。彼が心からリスペクトし、今ではサポートを務める間柄となったくるりの岸田繁、Charaと浅野忠信の息子で、millennium paradeにも参加しているHIMI、MONO NO AWAREの玉置周啓と加藤成順によるアコースティック・ユニットMIZ、石若が率いるバンド〈SMTK〉の一員であるベーシストのマーティ・ホロウベックがゲストとして登場する。おそらく石若がライフワークと位置付けるSONGBOOKプロジェクトの延長線上で、〈うた〉に酔いしれる一夜になるのではないだろうか。
翌6日はジャンルレスに、心地よいグッド・ミュージックを奏でる面々が集う。キセルのフォーキーな歌世界や、冬にわかれてのシティポップ寄りなソウルは、石若の思い描く〈うた〉との共鳴を感じる。モノンクルの角田隆太は石若が参加するCRCK/LCKSの元メンバーで、ジャズをルーツとしながらポップスを奏でてきた盟友どうし。かつて高橋店長にギターを教えた伊藤ゴローは、ジョアン・ジルベルトに捧げた最新作『アモローゾフィア ~アブストラクト・ジョアン~』の曲を披露する。そして、石若は10年以上活動を共にする金澤英明、石井彰とのBoys Trioで登場。SMTKの松丸契と細井徳太郎も交えて、インストのジャズで真っ向勝負を挑む。
何が起きるか予測不可能、他では観ることのできないスペシャルな2日間。良質な音楽と生の臨場感に飢えているのであれば、豊島区民でなくとも駆けつけるしかないだろう。
LIVE INFORMATION
Visca!! IKEBUKURO KAKULULU 7.5th Anniversary Live
2021年11月5日(金)東京・東池袋 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
開場/開演/終演:18:00/19:00/21:00(予定)
出演:石若駿 presents with Special Guests
ゲスト:岸田繁/MIZ/HIMI+Marty Holoubek
2021年11月6日(土)東京・東池袋 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
開場/開演/終演:12:00/13:00/18:20(予定)※17:00(予定)→18:20(予定)に変更になりました
出演:キセル/伊藤ゴローアンサンブル/冬にわかれて/モノンクル/Boys Trio feat. 松丸契 & 細井徳太郎(石若駿(ドラムス)/金澤英明(ベース)/石井彰(ピアノ)/松丸契(サックス)/細井徳太郎(ギター))