Mikikiがオススメの新人アーティストを採り上げる連載〈Mikiki’s Young Bloods〉。編集部スタッフが、サブスクやCDショップで試聴して、あるいはライブハウスやクラブでパフォーマンスを観て、〈これはやばい!〉と興奮した新人ミュージシャンを紹介します。今回は編集部・酒井がMEMEMION(ミームミオン)という5人組バンドをピックアップ。ユニットによる自己紹介、まずはこの曲から、推しポイント、こんな音楽のファンにオススメ、という4項目でまとめました。

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(左から)小栢伸五(ベース)、桑久保誠(キーボード)、キュアかいと(ギター)、坂本遥(ボーカル/ギター)、竹村仁(ドラムス)
 

自己紹介

「MEMEMIONの坂本遥です。元々はギタリストとして音楽をやっていましたが、今年からボーカリストとしてバンドを始めました。

バンドをやるにあたって近くにいた面白そうな友達を集めたところなんだか変な奴らばっかりになってしまいましたが、みんな個性的で愛せる最高のメンバー達です。自分が音楽的に影響を受けたアーティストは沢山いますが、何よりもメンバーからの刺激が大きいです。

ブルースにルーツを持つギターのカイト、ゴスペルやヒップホップなどにルーツを持つドラムの仁、ジャズとエレクトロにルーツを持つキーボードのクワ、同じくジャズ、フュージョンのルーツを持つベースの小栢。

特に深いことは考えずとも、持ち込んだ楽曲、フレーズがメンバーのフィルターを通すだけで今まで聴いたことの無いマナーの合奏になるのが心から楽しい、そんなバンドです。逆説で、それぞれの個性あるプレイスタイルに思いを馳せながら楽曲を作っていくと自分自身をいつも裏切れる楽曲になるので、面白いメンバーだなといつも感じさせられます。

今現在は配信もしていなければHPも無く、ライブ活動ばかりを行なっていますが活動2年目の2022年からは世間様の耳と目に届くよう色々と仕込んでいますので、今日ここで出会った皆さまには今のうちからMEMEMIONを追いかけてくだされば、という気持ちでいっぱいです」

 

まずはこの曲から
“ひこう-せん【飛行船】”

初作にしてこの絶妙なリズムとグルーヴ感。そして少し不思議で癖になるコード感や各楽器のフレージング。なのに曲全体はきちんとキャッチーでポップ。たぶん作詞作曲を手がける坂本の曲が良いという軸があって、そこからバンドでアレンジをする時に自由なアイデアが出てくるんだろうなと思います。でも、メンバーが各自自由にやっているように見えて、決めるところは決めている。それでいて、決めの中にはやっぱり自由さがあって、お互いを信頼してるからそれぞれの背中を任せてる感じがある。すごくバランス感覚がいいバンドなんだろうなと思います。

そして、続いてリリースされた“Prophet Song”“一級品”と聴き進めていくと、それだけじゃねえな、また印象はちょっと違ってくるなって感じ。今後はどんな顔を見せてくれるのかすごく楽しみです。すごいぜ! MEMEMION!

 

酒井優考の推しポイント

エドガー・サリヴァンのギタリストでもある坂本遥を中心に、今年、このコロナ禍中に活動を開始した5人組バンド、MEMEMION。名前の由来は、生み出したサウンドが〈ミーム〉のように世の中に拡がってほしいという思いを込めて、とのこと。メンバーそれぞれの活動の詳細を全部書いているとスペースが無くなってしまうので各自で調べていただくとして、とにかく全員が凄腕、かつクセのあるメンバー。そんな5人から生み出される楽曲は、やはりキャッチーさもトリッキーさも持ち合わせていて、マジで〈一級品〉。それでいてまだ配信なし、音源はライブ物販とネット上でのCD手売りのみ。でもYouTubeのMVは高クォリティー。このギャップも面白いと思います。

まだライブで直に彼らを観てはいないのですが、すでに名のあるバンドたちと対バンを経験していて、絶対に今後大きな話題に……それこそ〈ミーム〉になっていくと思っています。今のうちに間近で観ておいて、ビッグになったら自慢すべし! あと密かに思っているのが、グッズやジャケのデザインがカッコいいということ。気になる人はショップを要チェック!

 

こんな音楽のファンにオススメ

King Gnu/Tempalay/BREIMEN/Kroi/……あとは、普段クセのない音楽を聴いてる人にこそ聴いてもらいたい!