Mikikiがオススメの新人アーティストを採り上げる連載〈Mikiki’s Young Bloods〉。編集部スタッフが、サブスクやCDショップで試聴して、あるいはライブハウスやクラブでパフォーマンスを観て、〈これはやばい!〉と興奮した新人ミュージシャンを紹介します。今回は編集部の田中が、東京を拠点に活動しているギターバンド、Hammer Head Sharkをピックアップ。バンドによる自己紹介、まずはこの曲から、推しポイント、こんな音楽のファンにオススメ、という4項目でまとめました。
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自己紹介
「2018年結成。千葉の稲毛という町で集まり、現在は東京を中心に活動。ドラムス、ベース、(現在は脱退した)ギターが一緒の大学のサークルで、ドラマーの福間が同じ高校だったながいひゆをボーカルとして誘いました。最初は好きなバンドのカバーをしていましたが、オリジナル曲が出来たので2019年頃から本格的に活動を始めました。
メンバーは全員好きな音楽が異なり、それ以前に楽器が好きだったり歌が好きだったりと、それぞれのそうした好きな音を合わせて纏まっていった印象です。バンド全体のサウンドではきのこ帝国や、2000年代のオルタナに影響を受けています。主に作詞作曲を担当するながいがシンガーソングライターの音楽やフォークを好んでいて、その部分がメロディーに対する意識となっています。音楽以外のことが音楽になることも多く、言葉や小説、映画の情景から音をイメージして制作に繋がることもあります。
音楽に救われた経験が根底にあるので、肝心な時に誰かの居場所になれる音楽で在りたいと思っています。憧れのステージは日比谷の野外音楽堂です」
まずはこの曲から
“Dummy Flower”
Hammer Head Sharkを知ったのは、2021年の11月に発表されたこの曲からでした。穏やかなアコギのストロークと、グロッケンでしょうか?リリカルな音からはじまるイントロはどこかネオアコ的。その後に、ながいひゆさんの凛とした歌声とミュートされたエレクトリックギターが重なり、楽曲はゆっくりとドライブしていきます。歌詞のすべてを理解できてはいないのですが、自分にはむくわれない恋心を綴った歌のように感じました。とても切ないです。
田中亮太の推しポイント
上記の“Dummy Flower”を好きになったあとに、過去に発表されていた楽曲を遡って聴いたのですが、以前の楽曲はもっとギターのファズやフィードバックノイズが出ていて、よりシューゲイザー的な印象を受けました。なので書いていただいた〈自己紹介〉の項目で、きのこ帝国の名前を出されていたのは納得というか。2021年の10月にギタリストが脱退しているようで、そうした体制の変化も“Dummy Flower”の以前よりもフォーキーな音楽性に関係しているのかもしれません。現在、ギタリストを募集しているようですが、個人的には轟音ギターをあえて使わない方向性での発展もおもしろそうだなと思っています。ながいひゆさんの物憂げで伸びやかな歌、リズム隊の平熱な演奏のまま、どこまでも聴き手を遠くに連れて行ってくれるんじゃないか――そんな期待をHammer Head Sharkには抱いてしまうのです。
こんな音楽のファンにオススメ
揺らぎ/狐の会/Spangle call Lilli Line/Pains Of Being Pure At Heart……
RELEASE INFORMATION
リリース日:2021年11月17日
配信リンク:https://linkco.re/0PARcxSz
TRACKLIST
1. Dummy Flower
LIVE INFORMATION
Hammer Head Shark pre. 〈魚座の痣vol.3〉
2022年3月24日(木)東京・下北沢 THREE
開場/開演:18:00/18:30
出演:Hammer Head Shark/黒子首/ayutthaya/メレ
前売り/当日:2,900円/3,400円(いずれも1ドリンク代別途要)
チケット予約:https://tiget.net/events/168757