Mikikiがオススメの新人アーティストを採り上げる連載〈Mikiki’s Young Bloods〉。編集部スタッフが、サブスクやCDショップで試聴して、あるいはライブハウスやクラブでパフォーマンスを観て、〈これはやばい!〉と興奮した新人ミュージシャンを紹介します。今回は田中亮太が、兵庫を拠点に活動するシンガー・ソングライター、みらんをピックアップ。自己紹介、まずはこの曲から、編集部員の推しポイント、こんな音楽のファンにオススメ、という4項目でまとめました。

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自己紹介

「99年生まれ、兵庫県在住のシンガー・ソングライターです。犬を飼っていて犬めっちゃ好きです。曲は大体おうちの中でわんころところころしながらスマホで作っています。スマホで作っている理由としては、元々パソコンを持っていなくて、スマホで作ってみたら指で簡単に操作できるし、なんとなく自分にはこれくらいのフットワークの軽さで音楽をやっていきたいという思いがあるから、です。

小さい頃からピアノや新体操を習っていたので、音楽や表現に対して自分はやればできる、みたいなところがあり、けっこうなんにでも興味を持つし影響されるのですが、特に小沢健二やシャムキャッツの圧倒的ボーカルカリスマ性にはほんと憧れます。最近は韓国の音楽文化に興味を持っています。K-Popはもちろん、韓国ドラマの中で流れるかわいくて、とろんとしたメロディがいいなと感じています。

曲作りは正直めんどくさいな〜って思うことがほとんどですが、自分で全部作って完成したときの達成感や、心の中で〈私ってこんなこともできちゃうのね、〉みたいなニヤニヤするかんじはたまに味わいたいので今後も宅録はやっていくと思います。

それでももっと広げて新しい方法で作っていきたいと思うので音楽を通していろんな人と出会い、自分のだいぶ恥ずかしい気持ちとかも共有していけるような人間関係や音楽を追求していきたいです」

 

まずはこの曲から

先日リリースされたばかりの新作EP『モモイロペリカンと遊んだ日』のリード・ソング。現WANG GUNG BAND/元バレーボウイズのシュウタネギがギターで参加した軽快なフォーク・ロックです。秘めた片想いをモティーフにした歌詞は、〈「コトコト煮込んだポトフが良いな、」そんなふうに言えたらなっていつも思うよ〉というラインが微笑ましい。ネギさんのささやかなギター・ソロにも甘酸っぱさが香っているのです。

 

Mikiki編集部、田中亮太の推しポイント

みらんさんを知ったのは、確か今年の春ごろ。近いタイミングで友人2人からオススメされたことで、Spotifyをチェックしました。2020年の8月に配信リリースされた(今年の7月にレーベルのNOTTがCD化)アルバム『帆風』を聴いてみたところ、確かにこれは魅力あるな、と。まず彼女の歌声が醸す艶、その表情の多彩さに心を奪われました。上の自己紹介で〈圧倒的ボーカルカリスマ性〉を持つアーティストに憧れると書かれていますが、いやいや、すでに声の力には相当なものがあるのではないでしょうか。

また『帆風』、新作EP『モモイロペリカンと遊んだ日』に共通して、ダイナミックなロックからフォーキーな弾き語り、打ち込みを導入したベッドルーム・ポップ調の楽曲まで、アレンジ/プロダクション面で幅が広いところも魅力的。さまざまなサウンドを、コケティッシュかつキュートな歌唱で乗りこなしていくさまには、YUKIやthe brilliant greenの川瀬智子といった偉大なポップ・シンガーたちの姿も重なります。

 

こんな音楽のファンにオススメ

シャムキャッツ/YUKI/the brilliant green/カネコアヤノ

 


RELEASE INFORMATION

みらん 『モモイロペリカンと遊んだ日』 NOTT(2021)

リリース日:2021年8月18日
品番:NOTT-002
フォーマット:CD/配信
価格:1,870円(税込)

配信リンク:https://friendship.lnk.to/PinkPelicanTW

TRACKLIST
配信
1. ポトフがいいなっ
2. バターシュガー
3. ジャノメミシン
4. 色恋沙汰
5. おやすみみらんちゃん
6. 瞬間

CD
1. ジャノメミシン
2. ポトフがいいなっ
3. 色恋沙汰
4. おやすみみらんちゃん
5. 瞬間
6. バターシュガー