古正寺恵巳(元BiS〜Maison book girl)による新たな4人組が怒涛のアルバム・デビュー。楽曲プロデューサーの大森靖子が全13曲を書き下ろし(彼女にとってはZOCとソロに続く今年3枚目のアルバム!)、ピアノ主体で編曲を担うsugarbeansをはじめ、設楽博臣(ギター)、千ヶ崎学(ベース)、張替智広(ドラムス)といった名うてのダイナミックな演奏が吹き込んだ生々しい勢いに圧倒される。可憐で棘があり、脳天気なようで毒々しい魅力は大森のソロ作に通じる味わいでありつつ、そこに落とし込まれたメンバーの個性も楽しい。劇的な“Nirvana”からグルーヴィーな“恋愛以上期待未満”、叙情的な“蒼夜ミルキーロード”まで多彩な逸曲が並ぶなか、覚悟を突き付けてくるような終曲“アイドルを辞める日”は圧巻。