ウェルザー=メスト指揮、クリーヴランド管弦楽団の自主制作シリーズ第3弾はシュニトケ:ピアノと弦楽のための協奏曲(2020年10月無観客配信)、プロコフィエフ:交響曲第2番(2020年1月ライヴ)。シュニトケはブロンフマンの透明でコクのある音色のピアノが冴え、オーケストラと一体化したアンサンブルを奏でる。プロコフィエフでは特有のバーバリズムと後年の作風を予感させる冷たい叙情味の交錯する難曲をウェルザー=メストが流れを保持して解きほぐし、クリーヴランド管弦楽団も緻密な弦、抉りのきいた管の反応が見事で作品の面白さを再認識する。名門の底力を実感する1枚。