指揮者、オーケストラが本気で取り組んだ〈ヨーゼフ・シュトラウス〉特集。コンサート全体の半分をヨハン・シュトラウス2世の弟の作品が占めている。シューベルトを味わうような美しい旋律と、ワーグナーのような緻密なスコアが魅力のヨーゼフ作品。“水彩画”が最も知名度が高いが“英雄の詩”“愛の真珠”“まひわ”といったワルツが美しい。そして今回の発見は“アレグロ・ファンタスティーク”。リストの“ハンガリー狂詩曲”のようなドラマチックな作品。指揮者のウェルザー=メストは円熟期を迎えたようで透徹した緊張感が前面に出た雰囲気から、しなやかで熱い演奏に音楽に変化している。