公私共に充実しまくり、スーパースターとして躍進著しいハリーの約2年半ぶりの3作目。アイドル脱皮を宣言するかのようだった前2作での正統派クラシック・ロック志向はやや影を潜めて、もっと自然体で楽しんでいるという印象。引き続きキッド・ハープーン、タイラー・ジョンソンらと共に創造されるのは、ノスタルジックな恋愛映画を思わせるロマンチックでドリーミーなポップ・ワールド。ベン・ハーパー、ジョン・メイヤー、デヴ・ハインズらも参加して、エレクトリックなファンクから、しんみり聴かせる素朴なバラードまで、機知に富んだアドヴェンチャーで楽しませる。細野晴臣『HOSONO HOUSE』から取ったタイトル/ジャケのこじんまりしたイメージとは裏腹に、驚くほど広大でサプライズに満ちたランドスケープが広がっている。