コロムビアとの単独契約が報じられて丸1年、ハリー・スタイルズがワン・ダイレクションの現メンバーとしてソロ第1号アルバムを発表しました。新たに刻んだ〈Jackson〉のタトゥーはジャクソン・ブラウンに由来か?と思えるほど(真意は不明)、出だしから西海岸ヴァイブに溢れ、終盤ではバッドフィンガーをモチーフにした曲まで登場し、総じて70s感がムンムンです。全編をジェフ・バスカーや彼の愛弟子であるタイラー・ジョンソン&アレックス・サリビアンと密に作り、セレブなゲストは皆無。そうした布陣は世界的なポップスターじゃなく、新人ロック歌手としての自分としっかり向き合ってほしいという、ハリーの気持ちの表れでしょう。グループの中ではときおり強すぎるきらいもあった雄大なヴォーカルも、男臭いシャウトが飛び出すグラマラスなハード・チューン“Kiwi”などでプラスに作用。1D時代からのファンはもちろん、クラシック・ロック好きにもチェックしてほしい力作です。