元シャムキャッツの菅原慎一を中心に、ミツメのnakayaan、never young beachの鈴木健人、沼澤成毅の4人で結成されたバンドのファースト・アルバム。近年アジアの音楽に傾倒していた菅原が〈アジア間の協働〉をテーマに掲げ、ミックス・マスタリングは韓国のエンジニアが担当している。とはいえ、堅苦しいメッセージを押し出すわけではなく、〈言葉の通じない街のマクドナルドで放送され、耳にした誰かをちょっとだけ幸せにさせる〉というコンセプトもあり、BGM的に聴くこともできる。ただ、この軽やかなファンクネスと淡いサイケデリアの融合は、それぞれのバンドが2010年代に積み上げてきた成果を踏まえての達成であることも間違いないだろう。テーマソング的な印象の“Dance Today”は特に素晴らしい。