上原潤之助(三味線)、米谷和修(篠笛・能管)、梅屋喜三郎(鳴物)による、お正月にぴったりの1枚。江戸・明治時代の〈端唄〉を中心に選曲しつつも、唄は入れず器楽演奏のみでレコーディング。なおかつ琴も使わずに慶事用アルバムは成立するのか? そんな新しい試みだ。鶯の鳴き声“春告鳥”から始まり、出初式の様子をいきいきと描写した“初出見よとて”、歌舞伎の下座音楽の一つである“屋台”に、“浅草詣り”“お伊勢参り”など、豊かな楽器の響きとともにおめでたい気分を堪能できる。ジャケットは、小池真理子氏「月夜の森の梟」の挿絵でも注目され、透明感のある青をベースとした作品が印象的な横山智子氏による描き下ろし。