ドラマティックでクレイジーなダンスポップサウンド
一方で、曲そのものに耳を傾けてみると、“OMG”は、チャレンジングなサウンドに驚かされた“Ditto”より少々ノスタルジックなダンス/トラップポップで、バウンシーにリズムを刻むR&B調だ。
プロデューサーは、XXXのメンバーであるFRNKことパク・ジンス(Park Jinsu)。作曲は彼のほかに、“Ditto”のみならずK-Popの曲を多く手がけてきたスウェーデンの作曲家イルヴァ・ディンバーグ(Ylva Dimberg)と、UKのダンスポップやf(x)の“Cash Me Out”(2015年)を作ってきた英ロンドンの作曲家デイヴィッド・ダウッド(David Dawood)だ。パク・ジンスは“Cookie”を、ディンバーグは“Cookie”と“Hype Boy”を以前作曲している。
“Ditto”と比較すると“OMG”は、親しみやすく、K-Popらしい曲に聞こえる。だからといって、もちろん聴きどころがないというわけではない。バースからプリコーラスにかけてのハネたキック&ベースとシェイカーには、UKガラージ/2ステップのニュアンスが若干ある。それが、ボルチアモアクラブ/ジャージークラブのテイストが取り入れられた“Ditto”のビートとの連続性を確実に生み出しているのだ(後半、ジャージークラブの典型的なサウンドで、近年のK-Popにも取り入れられているベッドの軋む音=bed squeakも挿入される)。
さらに、そこから短いコーラス(サビ)でハーフテンポにスイッチしたかと思えば、プリコーラスに戻って元のテンポへ、さらに2バース目へと突入していく起伏のある展開がかなりドラマティック。また、“テキーラ”に似た疑似ラテン風のリズムのカウベルがコーラス以外の部分に常に乗っており、〈クレイジー〉なムードを増強している。
そして、NewJeansの曲の魅力は、5人のボーカルパフォーマンスに依るところが大きい。透き通った清新な響きは現役K-Popアクトのなかでも屈指のもので、パワフルな歌で押し切るグループともキュートな歌で魅せるグループとも異なる独自性がすでにある。この“OMG”では、空気中を漂うような、繊細にささやくような抑え気味のニュアンスで聴かせていたセンシュアルな“Ditto”との共通性を感じさせつつ、よりR&B的な力強さとくるおしさが加わっていて、コーラスの重ね方を含めて絶妙だと言うほかない。
と、映像やビジュアルと音楽の両方でNewJeansに魅せられてしまえば、あなたはもうラビットホールのなかである。2023年=うさぎ年は、彼女たちの独壇場になるかもしれない――新年早々、そんな予感がしている。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2023年1月2日
配信リンク:https://ingrv.es/OMG
■MESSAGE CARD Ver.
品番:ADR0223
仕様:アウトボックス(6種/129×174×21mm)/メッセージカード(1セット(25枚)/バージョン別/125×170mm)/52Pフォトブック(ヴァージョン別/125×170mm)/12Pリリックペーパー(ヴァージョン共通/125×170mm)/CD-R(バージョン別絵柄/120×120mm)/フォトカード(1セット(5枚)/バージョン別/55×85mm)/ステッカー(1セット(2枚)/バージョン共通/125×170mm)
価格:2,420円(税込)
■Weverse Albums Ver.
品番:ADR0224
仕様:QRカード仕様(3種中ランダムで1種/55x85mm)/リリックペーパー(55x85mm/28p)/フォトカードセット(55x85mm/3種類中ランダムで1セット/1セット=10枚)
価格:2,790円(税込)
TRACKLIST
1. OMG
2. Ditto