今年7月に鮮烈なデビューを果たした、韓国の5人組ガールズグループNewJeans。早くもカムバックが待望されていた中、来年リリース予定のシングルアルバム『OMG』からの先行曲“Ditto”は、ファーストEPが軽い会釈程度だったように思えるほどの衝撃だった。
先んじて公開されたティーザーで、ブレイクビートが使われていることにまず驚かされたが、この曲がボルチモアクラブになるという触れ込み通り、ハウスとブレイクビートが組み合わさったサウンドであった。
ピンクパンサレス(PinkPantheress)やニア・アーカイヴズ(Nia Archives)といった、近年のドラムンベースリバイバル勢とも強い親和性を感じるが、この曲をプロデュースしたのは前作に引き続き250(イオゴン)だ。ポンチャックという韓国のトラッドな電子音楽の再解釈を試みる彼だが、前作でプロデュースした3曲からも分かる通り、非常に器用で先鋭的だが、優れたポップセンスも持ち合わせる音楽家だ。
エモーショナルでシマーなメロディラインが、リニアなブレイクビートに乗ってブーストしていく“Ditto”は、新曲“Happy Ending”でブレイクビートを取り入れた、ケレラ(Kelela)による2013年の“Bank Head (Prod. Kingdom)”を思い起こさせる。
かなりアダルトな趣きのトラックだが、そのギャップを上手く演出する250にも、完璧に歌いこなすメンバーにも感服させられるばかりだ。特にコーラスを歌い上げる最年少メンバー、ヘインのポテンシャルは計り知れない。
伊達のプロデュースチームならば、このようなクラブシーンのトレンドを捉えつつも、一歩先を見据えるハイコンテクストな楽曲を作ろうとは思いもしないだろうが、NewJeansを統率するディレクター、ミン・ヒジンのエッジィなアート造形に鑑みれば疑いの余地はない。
その徹底したトーンアンドマナーはMVにまで至る。テープのハンディカムでメンバーを撮影する演出は、このグループのコンセプトであるミレニアム時代の世界観を色濃くし、90年代韓国の少女の思春期を描いた映画「はちどり」を想起させる。また、劇中にカメオ出演した6人目の少女が、「はちどり」の主人公を演じたパク・ジフである辺りも憎い。
早速、次の“OMG”が待ち切れず、ロスに陥っているのは私だけではないはずだ。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2022年12月19日
配信リンク:https://ingrv.es/Ditto
TRACKLIST
1. Ditto
リリース日:2023年1月2日(月)
プリセーブ:https://presave.umusic.com/newjeans-omg
■MESSAGE CARD Ver.
品番:ADR0223
仕様:アウトボックス(6種/129×174×21mm)/メッセージカード(1セット(25枚)/バージョン別/125×170mm)/52Pフォトブック(ヴァージョン別/125×170mm)/12Pリリックペーパー(ヴァージョン共通/125×170mm)/CD-R(バージョン別絵柄/120×120mm)/フォトカード(1セット(5枚)/バージョン別/55×85mm)/ステッカー(1セット(2枚)/バージョン共通/125×170mm)
価格:2,420円(税込)
■Weverse Albums Ver.
品番:ADR0224
仕様:QRカード仕様(3種中ランダムで1種/55x85mm)/リリックペーパー(55x85mm/28p)/フォトカードセット(55x85mm/3種類中ランダムで1セット/1セット=10枚)
価格:2,790円(税込)
TRACKLIST
1. OMG
2. Ditto