For Tracy Hydeが解散することを発表した。

2012年に夏bot(ギター)の宅録プロジェクトとして始まった、シューゲイズ/ドリームポップを軸にしたバンド、For Tracy Hyde。国内のみならず、海外のリスナーも多く、国外のアーティストとの交流やアジアでのツアーでも成功を収めてきた。

バンドには、2014年にラブリーサマーちゃん(ボーカル)が加入し、翌2015年に脱退。eureka(ボーカル)が加入し、2016年にファーストアルバム『Film Bleu』をリリースした。

去る2022年1月には、長きにわたってギタリストを務めたU-1が脱退。そして12月、ライドのマーク・ガードナーがマスタリングを行い、バンドのキャリアのすべてを注ぎ込んだ最高傑作と言える5作目のアルバム『Hotel Insomnia』を発表したばかりだった。

そんななか、2023年1月5日に解散を発表した。バンドは、3月25日(土)の東京・渋谷WWW Xでのライブ〈Early Checkout: “Hotel Insomnia” Release Tour Tokyo〉で解散する。

10年の活動に幕を下ろすことについて、バンドとメンバーはステートメントを発表している。ステートメントによると、解散の理由は、現体制での活動の継続やメンバーの成長が困難であること、新メンバーの加入を想定できないこと、活動に区切りがついた手ごたえを挙げている。そのうえで、メンバーは今後も音楽活動を続けていくという。また、夏botは、バンドの活動の指針として、活動に区切りをつけること、〈活動休止〉ではなく〈解散〉をすること、解散のタイミングがバンドの到達点のひとつであることを、当初から考えていたそうだ(なお、For Tracy Hydeの解散は、『Hotel Insomnia』のレビューを掲載したPitchforkも即座に伝えた)。

2014年に自主制作EP『In Fear Of Love』を無料配布して話題になったこともいまだに記憶に新しいが、その後もフォトハイはリリースのペースを落とさず、歩みを止めずに作品をリリースしつづけてきたことが、同世代のバンドとして心強く感じていた。その一方で、彼らにとってのルーツやベースになる音楽を大事にしながらも、音楽的な進化と挑戦を繰り返し、独自のファンダムを築いてきた、稀有なバンドだったと言えるだろう。

遠巻きながらもその変化と成長のプロセスを見てきただけに、今回の解散は残念でならない。永遠の青春を感じさせるバンドだったが、青春は永遠には続かないこと、その苦さも彼らに教えてもらった。

解散が発表されてから聴く『Hotel Insomnia』は、どこか切なく響く。最後のツアーやライブにはぜひ足を運んで、解散をこの目で見届けたい。

 


RELEASE INFORMATION

For Tracy Hyde 『Hotel Insomnia』 Pヴァイン(2022)

■CD/デジタル
リリース日:2022年12月14日(水)
価格:2,750円(税込)
品番:PCD-25351​
配信リンク:https://p-vine.lnk.to/iXRcMxfX​​

TRACKLIST
​1.Undulate
2. The First Time (Is The Last Time)
3. Kodiak
4. Lungs
5. Estuary
6. Bleachers
7. Friends
8. Natalie
9. Sirens
10. House Of Mirrors
11. Milkshake
12. Subway Station Revelation
13. Leave The Planet

■LP
リリース日:2023年3月29日(水)
品番:PLP-7932
価格:4,950円(税込)

TRACKLIST
Side A
1. Undulate
2. The First Time (Is The Last Time)
3. Kodiak
4. Lungs
5. Estuary
6. Bleachers

Side B
1. Natalie
2. Sirens
3. House Of Mirrors
4. Milkshake
5. Subway Station Revelation
6. Leave The Planet

 

LIVE INFORMATION
For Tracy Hyde / RAY『フランボワーズ・パルフェのために』リリースパーティ
2023年1月8日(日)東京・新宿 MARZ
出演:For Tracy Hyde/RAY
開場/開演:18:00 / Start 18:30
前売り/当日:3,000円/3,500円(いずれもドリンク代別)
予約:https://tiget.net/events/216873

『Hotel Insomnia』リリース記念インストア・ライブ&サイン会
2023年1月21日(土)東京・渋谷 TOWER VINYL SHIBUYA(タワーレコード渋谷店6F)
開演:15:00
出演:For Tracy Hyde
イベント内容:ミニライブ&サイン会

■参加方法
ご予約者優先で、タワーレコード渋谷店にて『Hotel Insomnia』または『Milkshake / Pretty Things』(P7-6487)をご購入いただいた方に、先着で〈サイン会参加券〉を対1で配布いたします。
※イベントの観覧はフリーとなっておりますが、サイン会へのご参加は〈サイン会参加券〉をお持ちの方のみとなっております
※サインは対象商品のジャケットにいたしますので忘れずにお持ちください

■対象商品
For Tracy Hyde『Hotel Insomnia』(PCD-25351)
リリース日:2022年12月14日(前日入荷)
価格:2,750円(税込)
仕様:CDアルバム

For Tracy Hyde / Death Of Heather『Milkshake / Pretty Things』(P7-6487)
発売日:2022年11月2日
価格:2,530円(税込)
仕様:7”シングルレコード
https://towershibuya.jp/2022/12/13/175554

Early Checkout: “Hotel Insomnia” Release Tour Special Double Headliner
2023年2月8日(水)東京・代官山 UNIT
出演:For Tracy Hyde/ラブリーサマーちゃん
開場/開演:18:30/19:00
前売り/当日:3,500/4,000円(いずれも税込/ドリンク代別)
一般発売:2023年1月7日
予約:https://eplus.jp/sf/detail/3402590001-P0030004P0030005P0030006
お問い合わせ(エイティーフィールド):03-5712-5227/http://www.atfield.net/

Early Checkout: “Hotel Insomnia” Release Tour Osaka
2023年2月25日(土)大阪・心斎橋 Live House ANIMA
出演:For Tracy Hyde
開場/開演:18:00/18:30
前売り/当日:3,000円/3,500円(いずれも税込/ドリンク代別)
一般発売:2023年1月21日(土)
予約:https://eplus.jp/sf/detail/3402590001-P0030004P0030005P0030006
お問い合わせ(エイティーフィールド):03-5712-5227/http://www.atfield.net/

DREAMWAVES pre. “Hotel Insomnia” Release Party
2023年2月26日(日)愛知・名古屋 Stiff Slack
出演:For Tracy Hyde/Blurred City Lights and more
DJ:Matthew Bedford(DREAMWAVES)
開場/開演:16:00/16:30
前売り/当日/学生:3,000円/3,500円/1,500円(いずれも税込/ドリンク代別) ※要学生証提示

Early Checkout: “Hotel Insomnia” Release Tour Tokyo
2023年3月25日(土)東京・渋谷 WWW X
出演:For Tracy Hyde
開場/開演:17:30/18:30
前売り/当日:3,500円/4,000円(いずれもスタンディング/税込/ドリンク代別)
一般発売:2023年2月11日(土)
予約:https://eplus.jp/sf/detail/3402590001-P0030004P0030005P0030006
お問い合わせ(エイティーフィールド):03-5712-5227/http://www.atfield.net/

 


PROFILE: For Tracy Hyde
eureka(ボーカル)、夏bot(ギター)、Mav(ベース)、草稿(ドラムス)による4ピースバンド。2012年秋、夏botの宅録プロジェクトとして活動開始。2014年、ラブリーサマーちゃん(ボーカル)が加入し、女性ボーカルのバンドとして原形が出来る。2015年5月、ラブリーサマーちゃんの脱退に伴い、新ボーカリストとしてeurekaが加入。2016年12月、ファーストアルバム『Film Bleu』でPヴァインより全国デビュー。2017年には〈SPACE SHOWER NEW FORCE〉に選出され、〈TOKYO CALLING〉への出演も果たす。同年11月、セカンドアルバム『he(r)art』をリリース。シネマティックで緻密な構成のコンセプトアルバムとして高い評価を得る。2018年、草稿が加入。2019年よりeurekaがギターを手にし、トリプルギター編成に。シューゲイズ/ドリームポップを軸にしつつも60年代から現在までの様々な音楽を自由な発想で取り込み、中高生から〈Creation Records〉にリアルタイムで触れた40~50代まで、幅広いリスナーの日常に彩りを添える〈21世紀のTeenage Symphony for God〉を作り出す。また、国内のインディーシーンで精力的に活動するのみならず、ヘイゼル・イングリッシュ(オーストラリア/US)やエンバシー(スウェーデン)のオープニングアクトを務めたほか、ソブズ(シンガポール)、コズミック・チャイルド(シンガポール)、Thud(香港)、サブソニック・アイ(シンガポール)の来日ツアーをオーガナイズ。2019年9月にはアジア4か国(台湾・シンガポール・フィリピン・インドネシア)を回る初の海外ツアーが成功を収めるなど、海外シーンとの交流を深めつつある。2022年10月にはパンデミック以降初となる海外公演としてシンガポールのインディーフェスティバル〈Baybeats〉に出演。