宇宙飛行士の野口聡一が宇宙滞在中に綴った詞を、矢野顕子が楽曲へと仕立て上げたコラボ作。地球と対峙した時間、死とも隣り合わせの船外活動、上空での月や日蝕との出会い……野口の稀有な体験や思いが、矢野のピアノ弾き語りによってリリカルかつダイナミックに可視化される。宇宙船の発射を乗組員の視点で描いた“ドラゴンはのぼる”が圧巻のスリリングな仕上がり。異例の作品だが、通底する〈生〉への優しい眼差しが矢野らしい。